Looop、風力発電事業に本格参入! 中部電力と30MWの陸上風力を北海道に
2022/07/08
Looopがついに、風力発電事業に本格的に参入した。今年4月に「再エネ電力宣言」を発表した同社。中部電力との合同会社を通じて、このほど、北海道で風力発電所の建設に着手したという。
(アイキャッチ画像:「ウィンドファーム豊富」完成後のイメージ図。出典:株式会社Looop)
北海道に30MWの陸上風力発電
2024年の運転開始に向けて着工
Looopと中部電力は6月13日、共同で出資する豊富Wind Energy合同会社が、北海道において陸上風力発電所の建設に着手したと発表した。2024年4月の運転開始を目指す。
この発電所の名称は「ウィンドファーム豊富」。北海道の最北端である宗谷岬から、約60kmほど南に位置する。発電出力は30,000kW、想定される年間発電電力量は約7,700万kWhで、一般家庭約2.5万世帯分の使用電力量に相当するという。
(「ウィンドファーム豊富」の位置。出典:株式会社Looop)
今回の発電事業を手がける豊富Wind Energy合同会社は、Looopが51%、中部電力が49%を出資し、2020年6月に設立した。Looopの代表取締役社長CEOである中村創一郎氏が代表を務める。
Looopと中部電力は2018年に資本業務提携を行っている。これまで、Looopの太陽光発電事業を中心とする再生可能エネルギー事業と、中部電力の顧客基盤や経営資源などを組み合わせ、さまざまな新事業を進めてきた。
中部電力は、2030年ごろまでに再生可能エネルギー発電の規模を320万kW以上に拡大するとしており、北海道で再生可能エネルギー開発事業を行うのは、今回が初めてだという。
日本のエネルギーが直面する課題
「再エネ電力宣言」で解決目指す
Looopは今年4月、新事業方針を発表した。再生可能エネルギーで日本のエネルギー自給率の向上とエネルギーコストの低減を目指す「再エネ電力宣言」だ。この新方針は、世界的なエネルギー価格の高騰や日本のエネルギー自給率の低さといった問題を受け、新たに定められたものだという。
同社は、日本が置かれている現状を打破するための方策の1つとして、再生可能エネルギー事業を位置付けている。同社自身が積極的に再エネの開発を進めることでロールモデルとなり、エネルギー自給率の向上を図るという意気込みが込められている。
この宣言において、同社は中長期的な「再エネ普及に向けたステップ」とロードマップを次のように設定した。
(再エネ普及に向けたロードマップのイメージ。出典:株式会社Looop)
このうち「②再エネ電源確保・技術投資」の段階では「太陽光や風力をはじめとした自社発電所の開発」などを通して、日本全国に再生可能エネルギー発電設備を普及させるとしている。同社は、今般の「ウィンドファーム豊富」も、このロードマップにおける重要なプロジェクトの1つであるとしている。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)