注目キーワード

English 日本語

政策・制度

岩手県、イヌワシ保護へ 陸上風力の立地回避区域を設定へ

国の天然記念物で絶滅危惧種のイヌワシの生息域を保全するため、岩手県は陸上風力発電施設の立地回避区域を設定する。全国でも初めての取り組みで、立地回避区域は、県の森林面積の約4割が該当する見込み。

岩手県の達増知事
環境保全と脱炭素の両立を

イヌワシ

イヌワシの生息地は岩手県が全国で最も多い

岩手県の達増拓也知事は1月19日の記者会見で、「岩手県は再生可能エネルギーのポテンシャルが国内でも非常に高いと認識している。このポテンシャルを有効活用することによって、気候変動対策の推進や脱炭素化を進める責任がある。一方で、岩手県にはイヌワシなどの貴重な生物が生息するところが広くあり、生物多様性を守ることも岩手県によって重要な責任であると考えている。この2つを両立させるため、風力発電事業の立地を回避すべき区域を事業者向けに示したい。地域住民の理解のもとで、環境と共生した事業を進めていって欲しいと思う」と述べた。

イヌワシは大型の猛禽類で、クマタカやオオタカなどとともに食物連鎖の頂点に立つと言われるが、国内では生息数が500羽前後に減っていて絶滅が心配されている。岩手県ではこれまで35つがいの営巣地が確認されており、全国で最も多い。岩手県では、イヌワシが数多く生息していることは、たくさんの多様な生き物をはぐくむ豊かな自然環境が存在していることの証だとしている。

立地回避区域
森林面積の約4割が該当

岩手県によると、陸上風力発電施設の立地回避区域はイヌワシの重要な生息域や国立・国定公園の特別保護地区、国や県指定の保安林などを想定している。県の森林面積の約4割が該当する見込み。

岩手県では、今月中に立地回避区域を設定して事業者に示す方針。市町村が再生可能エネルギー促進区域を設定するのにも役立てたいとしている。立地回避区域以外の計画についても、地域特性を踏まえ、騒音や水質、景観への影響に関する約50項目のチェックリストを作成し、事業者に示すことにしている。

DATA

2024年1月29日 岩手県 達増拓也知事の記者会見


取材・文/高橋健一

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.10 | ¥0
2026/3/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 【洋上風力第1ラウンド】中東情勢が暗い影、3海域の再公募開始は今年の夏以降に
  2. 【洋上風力第4ラウンド】例年より遅い6月5日が期限、国への情報提供の申請受け付け
  3. 静岡県遠州灘沖の洋上風力導入へ 専門的な調査と合意形成の委託事業者を公募
  4. 経産省、相次ぐブレード破損事故の防止対策 落雷対策の技術基準改正案などの意見公募
  5. 【WIND EXPOリポート⑤】風力発電の最適解を導く高度な解析技術と科学的アプローチ
  6. 鹿児島県、いちき串木野市沖の経済波及効果と住民理解醸成の委託事業者を公募
  7. 浮体式洋上風力発電の商用化を目指す日本の現状と課題を読み解く。九州大学 胡長洪教授に聞く。
  8. 『WIND JOURNAL』vol.10[2026年春号]3/17発行!
  9. 秋田県男鹿市のブレード破損事故 23日からブレード撤去と本格調査を開始
  10. 経産省、FIT・FIP認定55件を取り消し 交付金返還命令を初適用

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.10 | ¥0
2026/3/17発行

お詫びと訂正