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【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?

洋上風力第4ラウンドは、新たな促進区域の公表が越年する異例の展開となっている。こうしたなか、国は次回の公募からリスクシナリオへの対応を高く評価する方針を正式に打ち出した。第4ラウンドの動向をまとめて紹介する。

 


 

第4ラウンドの注目記事

⑰【洋上風力第4ラウンド】秋田市沖と福岡県響灘沖を有望区域に、新たに3海域をセントラル方式の調査対象区域に

⑯【洋上風力第4ラウンド】北海道松前沖と檜山沖の2海域を促進区域に指定 早ければこの秋にも公募開始へ

⑮【洋上風力第4ラウンド】第1ラウンドのFIP転を容認へ 第2・第3ラウンド事業者への配慮措置が今後の焦点に

⑭【洋上風力第4ラウンド】東京都伊豆諸島沖の5海域を準備区域に、大規模浮体式の導入を目指す

⑬【洋上風力第4ラウンド】北海道松前沖と檜山沖、促進区域の指定案を公告 早ければ8月にも2海域を指定へ

⑫【洋上風力第4ラウンド】第1ラウンド事業へのFIP適用に厳しい意見が相次ぐ 事業者ヒアリングを実施

⑪【洋上風力第4ラウンド】千葉県旭市沖 洋上風力の事業化に向けて国に情報提供

⑩【洋上風力第4ラウンド】岩手県久慈市沖浮体式計画で国に情報提供 事業推進を前提に地元漁協が法定協参加に同意

⑨【洋上風力第4ラウンド】鹿児島県いちき串木野市沖 事業化に向けて国に情報提供

⑧【第4ラウンド深堀り解説】選定事業者の撤退を防ぐ価格調整スキーム、過去のラウンド事業にも適用へ

⑦【洋上風力第4ラウンド】北海道檜山沖法定協、促進区域の指定に同意 地域との共存共栄とサケ漁への配慮が条件

⑥【洋上風力第4ラウンド】有望な区域・セントラル調査対象区域の選定に向け 国が情報提供の受け付け開始

⑤北海道松前沖法定協、促進区域の指定に同意 漁業者への配慮が条件

④【洋上風力第4ラウンド】秋田市沖、和歌山県沖東側と西側の計3海域を準備区域に、有望な区域は対象なし

③【洋上風力第4ラウンド】事業者公募の評価基準を見直しへ「迅速性評価を各海域で統一」

②第4ラウンドから公募制度を見直し 過去のラウンド事業にも条件付きで適用を検討

①北海道松前町、洋上風車の景観イメージコンテンツを公開 仮想現実で擬似体験

 

 

第4ラウンドは異例の展開
新たな促進区域の公表が越年

洋上風力第4ラウンドは、新たな促進区域の公表が越年する異例の展開となっている。こうしたなか、国は次回の公募からリスクシナリオへの対応を高く評価する方針を正式に打ち出した。

経済産業省と国土交通省は1月29日、新たな占用公募制度の運用指針を公表した。それによると、次回の公募から事業者の評価基準を大幅に見直す。評価点全体の240点のうち、「供給価格」に120点、「事業の実施能力」に80点、「地域との調整、地域経済などへの波及効果」に40点という配点の大枠はこれまでと変わらない。

供給価格の配点が、これまでと同様に評価点全体の5割を占めている。現行の評価方法では、ゼロプレミアム水準での入札があった場合に、ほかの事業者もゼロプレミアム水準で入札しなければ、点差が大きく開いてしまう仕組みになっている。第3ラウンドでは、公募に参加した7つの事業体すべてがゼロプレミアム水準で入札した。このため、次回の公募から一定程度安価な「準ゼロプレミアム水準」を設ける。ゼロプレミアム水準から準ゼロプレミアム水準までは、価格上昇による評価点の下落を緩やかにして、入札価格の選択の余地を確保する。

供給価格と価格点のイメージ


出典:経済産業省

海外で撤退が相次ぎ
リスク対応を高く評価

海外の洋上風力発電事業で中断や撤退が相次いでいることから、リスクシナリオへの対応が優れている公募占用計画を高く評価する。「資金・収支計画」の配点を10点から14点に、「運転開始までの事業計画」の配点を15点から16点に変更する。

「事業計画の迅速性」にはこれまでと同様に20点が配点されているが、評価方法を見直す。運転開始時期に応じた点数に「事業計画の基盤面」と「事業計画の実行面」の評価点比率を乗じた値を事業計画の迅速性の評価点とする。「事業計画の基盤面」と「事業計画の実行面」の評価点の合計が満点の5割未満の場合は、迅速性評価点を0点とする。運転開始時期を早く設定しても、事業の実現性やリスクシナリオへの対応が優れていなければ評価点が下がる仕組みになっている。

事業実施能力の評価点(80点)

次回の公募から
セントラル方式を基本に

国は次回の公募から「セントラル方式」によるサイト調査を基本とする方針を明らかにした。セントラル方式は、環境影響評価の一部を国が代行して行う制度で、欧州では広く採用されている。公募に参加する事業者の調査が重複する現行方 式のムダを解消し、公募の公平性や事業リスクの低減を図るのが目的だ。独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が風況・海底地盤・気象海象の調査を実施する。

セントラル方式としてJOGMECがサイト調査を実施した海域においては、調査結果の情報提供を受けた選定事業者に対し、JOGMECが調査費用を請求する。セントラル方式による具体的な調査内容や方法については、海域ごとの実情に応じて検討するとともに、必要に応じて、公平性、公正性、透明性の確保に留意しつつ、事業者が保有する情報や既存の情報を活用するとしている。

FIP基準価格を調整する
価格調整スキームを導入

国は、建設期間中の物価変動に対応して、FIP基準価格を落札後に1回だけ調整する「価格調整スキーム」を導入する案を検討している。洋上風力発電事業では、資本費と運転維持費の割合が7対3となっている。このため、FIP基準価格のうち10分の7を調整の対象とする。

調整変動率は、公募開始直前の1年間における物価水準と、工事計画届出予定日の直前1年間における物価水準の比率から一定の加減を減じた割合とする案が示されている。国は、「価格調整スキーム」や「迅速性評価の具体的内容」、「保証金制度の見直し」については海域ごとに策定する公募占用指針に記載する予定だ。

第3ラウンドの選定結果ページはコチラ⇩
「青森県沖日本海(南側)」及び「山形県遊佐町沖」における洋上風力発電事業者の選定結果について


取材・文/高橋健一

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