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青森県中泊町、特別目的会社を設立 洋上風力発電の2029年運転開始を正式表明

青森県中泊町が3月25日、日本風力開発などとともに特別目的会社を設立し、同町の漁港区域内に2029年完成を目指して洋上風力発電設備を建設する方針を正式に明らかにした。

アイキャッチ画像 洋上風車が設置される予定の小泊漁港(出典 青森県)

漁港区域内への
洋上風車設置は国内初

中泊町
青森県中泊町は昨年5月、洋上風力発電の事業化を進める特別目的会社に出資する300万円の補正予算案を臨時町議会に提案し可決された。提案説明のなかで濱舘豊光町長は、同町の小泊漁港区域内に洋上風力発電設備を建設する方針を明らかにした。漁港区域内に洋上風車を設置するのは、全国初の取り組み。

この事業は、中泊町と地元の漁協、それに風力発電会社の「日本風力開発」が小泊漁港の区域内に大型の風車を最大7基建設する計画で、2029年運転開始を目指していた。当初は、昨年の夏頃から具体的に進める予定だったが、日本風力開発の当時の社長が贈賄の罪で在宅起訴され、事業が一時中断していた。

特別目的会社を設立
2029年の運転開始を目指す

中泊町は、小泊漁港の洋上風力発電事業のための特別目的会社「ミラスタイル」を3月2日に設立し、当初の計画通り2029年の運転開始を目指す方針を正式に明らかにした。それと合わせて、今年秋ごろに、町や地元企業などが出資する地域エネルギー会社を立ち上げ、風力発電所などで発電した電力を町内外に販売する。再生可能エネルギーを地産地消することで、町内の二酸化炭素排出量を削減し、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指す。

中泊町の沿岸を含む青森県日本海北部区域は2020年7月、再エネ海域利用法に基づく「有望な区域」に整理された。しかし、周辺海域で漁業関係者の賛否が分かれているため、法定協議会が一度も開催されていない。漁港区域での洋上風力発電は、国の事業の対象外で、県の認可や町、漁協の同意があれば整備可能となる。


取材・文/高橋健一

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