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千葉県 GE、東芝ESSと個別商談会を開催

千葉県は、銚子市沖の洋上風力発電事業で風車を製造するGEリニューアブルエナジーとその協力企業である東芝エネルギーシステムズとの個別商談会を4月下旬に開催する。風車関連部品の製造に関心のある県内企業や県内に支店などの拠点のある県外企業が対象。県のホームページで参加の申し込みを受け付けている。

GE製風車の
部品供給網を構築


GE製の大型風車が設置される千葉県銚子市沖

経済産業省と国土交通省は2022年12月、三菱商事系企業連合が千葉と秋田の計3海域で進める洋上風力発電の事業計画「公募占用計画」を認定した。このうち千葉県では、銚子市南側の沖合に広がる約3950ヘクタールの海域で、31基の風車を1キロ間隔で設置する計画。最大発電出力は約39万キロワットで、約28万世帯分の電力需要に相当する。陸上工事は2025年1月から、洋上工事は2027年2月から開始する。運転開始は2028年9月の予定。発生した電気は約50キロ離れた東京電力新佐原変電所(千葉県香取市)を経て首都圏などに送られる。

秋田と千葉の計3海域では、GE製の大型風車「Haliade-X」が採用される。「Haliade-X」は発電出力が1万3000キロワット。高さが最大で248メートル、ローター径は220メートルに達する。東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は2021年5月、GEリニューアブルエナジーと洋上風力発電システムに関する戦略的提携契約を締結し、「Haliade-X」の主要部分の製造を国内で進める方針を明らかにした。同社が「Haliade-X」のナセルに関する組み立て、倉庫、輸送、予防保全サービスを提供し、日本市場における販売と商取引に関する責任を担う。

風車部品の国産化について東芝ESSは、部品の量産を2023年度半ばに始め、ナセルの組み立ては横浜市鶴見区にある京浜事業所で2024年初頭に開始する計画。溶接部材や治工具、架台などの部品も国内調達を推進するという。同社は、千葉県と秋田県に風車の部品供給網を早期に構築することを目指している。

地元企業と
個別にマッチング

千葉県が開催する個別商談会は、風車のナセルと電気キャビネットの製造に関心のある県内企業や、県内に支店などの拠点のある県外企業が対象。GEリニューアブルエナジーや東芝ESSと地元企業が個別にマッチングする機会を提供する。参加を希望する企業は3月13日までに千葉県の電子申請サービスなどで申し込む。GEリニューアブルエナジーと東芝ESSが書類選考をして参加企業を最終決定する。開催日時は、参加企業と調整して決める方針。千葉県産業振興課の担当者は、「県内企業から多くの問い合わせが寄せられている。部品供給網の構築に向けて、地元企業とのマッチングの機会を増やしていきたい」と話している。

銚子市沖洋上風力発電事業「風車関連部材に係る個別商談会」
1.個別商談会の開催概要
(1)日程
令和5年4月下旬(予定)
※開催日時は、元請企業等が商談会参加企業を書類選考により決定後、別途調整し、商談会の開催7日前を目途に、県から商談会参加企業にお知らせします。
(2)会場
銚子市内(予定)
※会場は、開催日時とあわせてお知らせします。
2.元請企業等
GE Renewable Energy【元請企業】
東芝エネルギーシステムズ株式会社【元請企業の戦略的パートナー】
3.参加申込
(1)資格
銚子市沖洋上風力発電事業の「風車関連部材の製造」への参入に関心のある県内企業であること(県内に支店等の拠点がある県外企業を含む)
(2)手続き
・3月13日(月)までに、下記のホームページから「ちば電子申請サービス」にてお申し込みください。
・申し込み内容は、『ちば電子申請サービス』の「申込内容照会」から確認できるほか、PDFにより「参加申込書」として出力が可能です。
千葉県ホームページ
4.発注予定の風車関連部材
(1)ナセルリアフレーム
(2)電気キャビネット
5.参加決定
(1)参加申込書は県から元請企業等に送付し、元請企業等において、参加申込書の記載内容を踏まえ、個別商談会の参加企業を決定するための書類選考を実施します。
※申し込みにより、個別商談会への参加が決定するものではないことに御留意ください。
(2)元請企業等による書類選考の結果、個別商談会への参加が決定した企業に対しては、県から、開催日の7日前を目途に、開催日時等を通知いたします。
※個別商談会への参加決定が、受注を確約するものではないことに御留意ください。‬

DATA

千葉県ホームページ

千葉県銚子市沖 公募占用計画の概要


取材・文/高橋健一

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