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【洋上風力第1ラウンド】武藤経産相 事業者撤退の3海域「再公募を速やかに検討したい」

大手商社の三菱商事が、洋上風力第1ラウンドの秋田、千葉計3海域からの撤退を決めたことについて、武藤経済産業大臣は8月29日の会見で、地元の意向を踏まえたうえで再公募を速やかに検討する考えを示しました。

<目次>
1.途中で放棄する責任は 極めて大きい
2.撤退に至った要因を 国の審議会で検証

 

途中で放棄する責任は
極めて大きい


秋田県能代市・三種町・男鹿市沖

秋田県と千葉県の沖合で計画されていた洋上風力第1ラウンドの3海域について、事業の中心的な役割を担ってきた三菱商事は8 月27日、コストの大幅な増加を理由に撤退すると発表しました。

これについて、武藤経済産業大臣は8月29日の閣議のあとの会見で、「洋上風力というものは、まさに再生可能エネルギーの主力電源化に向けた重要な電源であります。その最初の案件であるこの案件が、このような結果になったことはたいへん遺憾に感じています。そして、国のエネルギー政策上の重要性はもとより、これは地元からも大きな期待が寄せられていた、そして、多大なご協力もいただいてきているところであります。また、一部の投資もすでに開始しておりますし、それを途中で放棄する責任というのは極めて大きいものだと思います。日本を代表する企業として、責任を重く受け止めていただきながら、地元の方々に対しても、最大限の真摯な対応を行っていただきたいと考えていますと述べた。

そのうえで、再公募については「今後、政府におきましても、三菱商事が撤退に至った要因、これをしっかり検証していかなくてはいけません。そのうえで、撤退した3海域につきましては、地元の御意向を踏まえて再公募を速やかに検討してまいります。また、事業環境が変化する中でも洋上風力プロジェクトが着実に実施できるように、必要な制度見直しを含め事業環境整備を進めてまいりたいと考えています。これらの必要な施策を講じなから、洋上風力を含め再生可能エネルギーを2040年度に4割から5割程度導入するという見通しの実現に向けて、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えています」と述べ、地元の意向を踏まえたうえで再公募を速やかに検討していく考えを示しました。

 

 

撤退に至った要因を
国の審議会で検証

一方、三菱商事を中心とする事業体がほかの事業者より大幅に安い売電価格を提示して落札したことについては、「中西社長からは、インフレなどにより、当初想定していた価格よりも上回って建設費用が膨大に膨らんだということが撤退の理由ということをうかがいました。他方で、今回の3海域撤退という結果でありますけれども、事業者選定を行った私どもとしましても重く受け止めているのはいまお話ししたとおりです。これは、今後、国の審議会においても撤退に至った要因というものを検証してまいります。
そのうえで、政府において物価変動などの事業環境の変化にも対応し、着実な事業を支える観点から、公募制度の見直しを含めて、さらなる事業環境整備を進めていかなくてはいけないと考えているところです。入札制度そのものがどうだったのかということもありますけれども、われわれとしても国の審議会など、いろいろな形で、これもいままで審査してきているなかでありますので、そこの中で不備というものを、今後起きないように、しっかりしたエネルギー計画が達成できるように、これをやっていかなければいけないということだろうと思います」と述べ、撤退に至った要因を国の審議会で検証する考えを示しました。

 

 

DATA

武藤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

取材・文/高橋健一

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