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【電材エンジニアリング】超大型風車の輸送・組み立て・据え付け・O&Mのワンストップ・サービス

風力発電設備のブレードやナセル、タワーといった超重量設備の輸送や組み立て・据え付け・O&M(運営・保守)をグローバルに展開する日本企業、電材エンジニアリングの上村浩貴社長CEOに、参画した台湾洋上風力発電建設プロジェクトなどでの実績や今後の事業戦略などについて聞いた。

台湾洋上風力建設プロジェクトで
いち早く実績を積む日本企業

――事業内容を教えてください。
弊社はもともと製鉄所や石油・ガスプラント内のクレーン作業、プラント運搬、組立、メンテナンスなどを生業にしてきました。また橋梁架設や解体など社会インフラ関連にもサービスを提供してきました。

約15年前から北海道や東北を中心に陸上風力発電の運搬、組み立て、メンテナンスに従事しています。神奈川・川崎と北海道・室蘭に本社を置き、全世界で900名の従業員を抱えています。国内拠点は東日本、北日本を中心に展開しており、今年は青森市に支店を開設しました。

海外では台湾、ベトナム、韓国、シンガポール、バングラデシュ、インド、デンマークに現地法人を設立し、事業を展開しています。2019年から台湾で洋上風力発電所の建設プロジェクトが進んでおり、弊社は建設とO&Mに従事しています。ベトナムでもヨーロッパの風車メーカーなどから発注を受けて、陸上風力の建設とO&Mに従事しています。

弊社は台湾、ベトナム、韓国、インド、日本の5ヶ国で陸上、洋上風力の建設、O&Mのプラットフォームを構築したいと考えています。今後は、東南アジア各国や中東・北アフリカ(MENA)、アメリカへの進出も検討しています。

強みは超大型クレーンや
特殊輸送車両

――強みは。
強みは超大型クレーンや特殊輸送車両を用いた建設やO&Mまで、自社機材・自社作業員でワンストップのサービスを提供できる点です。クレーン車の保有屯数はアジア最大級といわれています。

風力発電建設で必要な超大型のクレーンや、特殊な輸送車両、コミッショニングやメンテナンス作業を提供する技術者、その全てを一社で抱えており、自社単独で作業提供を完結できることが強みです。ヨーロッパのメディアKHL社が発行する「インターナショナル・クレーンズ」が毎年発表しているクレーンの保有屯数ランキングで、弊社は2020年に世界で13位、日本で1位になりました。

私たち電材エンジニアリングは、2030年までに、クレーン保有屯数や売上高などでアジア太平洋地域ナンバーワン、世界トップ5の重機建設事業者を目指しています。今期2022年3月期の売上高予想は約130億円ですが、2030年までに売上高を350億円に引き上げる目標を立てています。

――日本政府による「2050年カーボンニュートラル」宣言、「洋上風力産業ビジョン」が掲げる「2030年までの10GW、2040年までの30GW~45GW」をどう受け止めていますか。
日本政府が野心的な目標を掲げてくれていることは大変ありがたいことです。一方で漁業関係者を始めとする利害関係者との調整をどのように進めていくことができるのかなど、政府の導入目標の実現には大きな課題もあると思います。

日本では発電事業者が漁業関係者と協議・交渉して事業開発を進めている一方で、台湾では「セントラル方式」の下、行政が漁業組合との折衝を担っています。今後、日本でも台湾同様の進め方が検討されており、行政のリーダーシップに期待しています。

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