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ユーラスエナジー、四国エリア最大のウインドファーム34.5MWの運転を開始

風力発電事業者の国内最大手であるユーラスエナジーが、設備容量34.5MWのウインドファームの運転を開始した。四国エリアで稼働する最大の風力発電所だ。国内の風力発電事業をリードする同社は、風力発電設備の新設だけでなく建て替えも行っている。

(画像出典:株式会社ユーラスエナジーホールディングス)

四国最大の風力発電所が竣工
年間3万トン以上のCO2削減効果

ユーラスエナジーグループは8月10日、徳島県勝浦郡上勝町から名西郡神山町周辺にかけて建設された「ユーラス上勝神山ウインドファーム」の竣工式を執り行った。同ウインドファームは、1基あたりの出力2,300kWの風車(ENERCON製)を15基設置。設備容量の合計は34,500kWにのぼり、四国エリアで最大の風力発電所となった。


(竣工式の様子。画像出典:株式会社ユーラスエナジーホールディングス)

ユーラス上勝神山ウインドファームは、7月10日から営業運転を開始している。発電した電力は四国電力へ全量売電する。一般家庭に換算して約2万世帯分に相当する発電量を期待でき、年間あたり約3.1万トンのCO2削減効果が見込まれるという。

今回、ユーラスエナジーグループにとっては徳島県内で2件目のウインドファーム。1件目は、2009年2月に徳島県大川原高原で運転を開始した「大川原ウインドファーム」だ。設備容量は19.500kWで、Siemens製の風車が採用されている。四国電力グループの四電エンジニアリングとユーラスエナジージャパンの共同出資により運営されている。

国内の風力発電事業をリード
グループで運転・保守管理も担う

ユーラスエナジーグループを統括するのは、ユーラスエナジーホールディングスだ。同社は8月、株主構成を変更し豊田通商の100%子会社となった。なお、社名のユーラスは、ギリシャ神話に登場する「東の風の神(エウロス)」に由来するという。

1987年にカリフォルニアで風力発電事業を開始して以来、世界各地で積極的に再生可能エネルギー事業を展開してきた。2022年9月現在、日本をはじめアジアや米国、欧州、アフリカなど15ヶ国で、3,400MWを超える風力発電所や太陽光発電所を手がけている。

国内における再生可能エネルギー発電所の設備容量は1,000MW超。ウインドファームのほか、大規模太陽光発電所も展開する。3月には、1999年から20年間にわたって操業した国内初のウインドファーム「ユーラス苫前ウインドファーム」の建て替えを完了し、営業運転を再開した。

グループの一社であるユーラステクニカルサービスは、風力発電所などの運転・保守管理業務を行う。今回のユーラス上勝神山ウインドファームにおいても、同社が運転や保守管理を担当するとしている。

DATA

株式会社ユーラスエナジーホールディングス プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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