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三菱商事 秋田市と銚子市に35年ぶり国内支店

三菱商事は、秋田支店(秋田市)と銚子支店(千葉県銚子市)を11月1日に開設した。国内支店を設けるのは1987年以来35年ぶり。秋田県と千葉県の3海域の洋上風力発電に関わる共生策や地域創生事業を推進するのが目的。幅広い事業を手がける総合商社の強みを生かし、地域が抱える課題の解決にも取り組む方針。(画像:2030年の運転開始を目指す秋田県由利本荘市沖)

秋田県と千葉県の3海域で
大規模洋上風力発電事業

三菱商事を中心とするコンソーシアム(三菱商事系コンソ)は去年12月、秋田県の「能代市・三種町・男鹿市沖」と「由利本荘市沖」、千葉県の「銚子市沖」の3海域で圧倒的な低価格を提示して事業者に選定された。

三菱商事系コンソは、秋田県沖と千葉県沖の3海域で1.26万kWの大型風車計134基を設置する。このうち、秋田県沖の2海域では26年に着工し、「能代市・三種町・男鹿市沖」は28年12月に運転開始、「由利本荘市沖」は30年12月に運転開始する予定。千葉県の「銚子沖」は、25年に着工し、28年9月に運転開始する計画だ。

三菱商事 
発電事業の枠を超えた地域創生を推進

地域共生施策のイメージ図

秋田市と銚子市に設置される両支店には、支店長を含めて2人が常駐する。三菱商事系コンソは、米アマゾン・ドット・コムやNTTアノードエナジー、キリンホールディングスの協力企業と連携し、風車部品の国内・地域での供給網構築や地場産品の販路拡大、観光振興、漁業へのICT技術の活用などに取り組む方針を示している。それと合わせて、洋上風力関連の人材を育成するため、維持管理分野の産業育成支援や大学との産学連携、自治体のデジタル化や脱炭素化、新たな産業の創出にも取り組む考えだ。

さらに地域の新電力事業者を設立し、公共施設などへの電力供給で得た収益で、地域課題の解決につながるプロジェクトに再投資をする計画も明らかにしている。三菱商事は、「地元企業・地元自治体・多様な業種のトップ企業と連携して、地域の社会的課題をビジネスのチカラで解決し、発電事業の枠を超えた地域創生を実現したいとしている。

三菱商事は5月に発表した中期経営計画で「エネルギー・トランスフォーメーションとデジタル・トランスフォーメーションの一体推進による地域創生」を成長戦略に掲げている。これまでに3つの自治体と協定を結び、熊本県八代市では自治会や町内会の回覧板をスマートフォンなどで見られる「デジタル回覧板」の実証実験を進めている。

DATA
三菱商事 ニュースリリース


取材・文/高橋健一

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