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政策・制度

沖縄県の玉城知事「洋上風力発電の候補地を調査」

沖縄県の玉城デニー知事は3月20日の県議会予算特別委員会で、2023年度に新たに洋上風力発電に適した候補地を探す調査を実施する考えを明らかにした。極値風速などの規制をクリアする浮体式の設備の開発を期待して、洋上風力発電の導入の可能性を幅広く調査する方針。

2023年度に
候補地を調査


沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ改訂版(出典 沖縄県)

沖縄県議会予算特別委員会は3月20日、玉城デニー知事が出席して総括質疑を行った。沖縄電力が化石燃料への依存度が高いことについて、玉城知事は「外部環境の変化に強い再エネの導入を拡大する」と答弁した。そのうえで、2023年度に新たに洋上風力発電に適した候補地を探す調査を実施する考えを明らかにした。それと合わせて「離島における蓄電池の設置を含む太陽光発電の予算を拡充して、水素、バイオマス発電の利活用などに向けた可能性調査も実施する」と述べた。

2023年3月に
より高い目標設定


沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ改訂版(出典 沖縄県)

沖縄県は2021年3月、新たな県のエネルギー計画となる「沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ ~2050年度 脱炭素社会の実現に向けて~」を策定している。2050年度の脱炭素社会の実現を目指し、中間地点となる2030年度までの将来像として「低炭素で災害に強い、沖縄らしい島しょ型エネルギー社会」を掲げ、再エネの導入拡大などに向けた取り組みのロードマップを示した。2022年3月には、脱炭素に向けさらに加速した国の動向やCOP26などの世界的な潮流を踏まえて、より高い目標を設定した改訂版を公表している。


沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ改訂版(出典 沖縄県)

沖縄電力の2021年の電源構成比率は、石炭火力が65%、LNG火力が24%、石油火力が5パーセントと、火力発電への依存度が9割を超えている。再エネの比率は6.4%で、このうち太陽光発電が約8割を占めている。2022年3月に策定した改訂版では、2030年度の目標値として、改定前の数値を「意欲的な目標」と位置付けたうえで、将来的に技術革新が実現した場合を想定し、さらに進んだ「挑戦的な目標」を新たに定めた。再エネ電源比率は、2030年度の意欲的な目標が18%、挑戦的な目標を26%と定めた。エネルギー自給率は意欲的な目標が5%、挑戦的な目標を7%に設定している。

洋上風力発電
導入可能性を調査

沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ改訂版(出典 沖縄県)

風力発電の導入について沖縄県は、2022年3月の改訂版のなかで、県の沿岸は安定した風力発電が可能な年間の平均風速 6メートル以上の地域となっており、陸上風力発電・洋上風力発電の導入ポテンシャルは非常に大きいとしている。その一方で、2016 年に国の風力発電設備建設に係る審査基準が厳格化したことで、沖縄における建設基準となる極値風速は 90m/s となり、現状技術では大型風車の新規導入が事実上困難な状況となっている。洋上風力発電についても実用化が進んでおらず、今後数年間の導入拡大が見込めない。風力発電のポテンシャルを活用するためには、極値風速などの規制をクリアする設備の開発などに向けた働きかけが必要であるとしていた。

2023年度に実施する調査について、沖縄県産業政策課は「極値風速などの規制をクリアする浮体式の設備の開発を期待して、洋上風力発電の導入の可能性を幅広く調査したい。洋上風車の建設に適した海域が見つかれば、2024年度以降に利害関係者との調整を進めたい。着床式の導入の可能性についても検討していきたい」と話している。極値風速は、風車のハブ(中心部)が受ける10分間の平均風速の最大値。 今後50年以内に再現する可能性がある極限の平均風速を予測した数値を指す。

DATA

沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ(改訂版)


取材・文/高橋健一

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