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青森県中泊町  漁港区域内で洋上風力発電計画

青森県中泊町は5月10日、日本風力開発と共同で同町の漁港区域内に洋上風力発電設備を建設する計画を明らかにした。最大出力は10万kWの見込みで、2029年の運転開始を目指す。漁港区域内に洋上風車を設置するのは、全国初の取り組み。

青森県内初
最大出力は10万kW

洋上風車が設置される予定の小泊漁港(出典 青森県)

青森県中泊町は5月10日、洋上風力発電の事業化を進める特別目的会社に出資する300万円の補正予算案を臨時町議会に提案し可決された。提案説明のなかで濱舘豊光町長は、同町の小泊漁港区域内に洋上風力発電設備を建設する方針を明らかにした。海上に風車を建設するのは、青森県内で初めての事業。

地域発電会社の
設立を検討

今後は、特別目的会社が海上の風況や海底の地盤、漁業や周辺環境への影響などを調べる。調査の結果、事業化が可能と判断すれば、洋上風車の設置を進める方針。最大出力は10万kWの見込みで、約9万世帯の電力を賄うことができる。地域発電会社を設立を検討し、発電によって得られる電力や資金を地域に還元することで、農林水産業の振興や地域の活性化を図ることにしている。

中泊町の沿岸を含む青森県日本海北部区域は2020年7月、再エネ海域利用法に基づく「有望な区域」に整理された。しかし、周辺海域で漁業関係者の賛否が分かれているため、法定協議会が一度も開催されていない。漁港区域での洋上風力発電は、国の事業の対象外で、県の認可や町、漁協の同意があれば整備可能となる。中泊町総合戦略課の担当者は「町の計画が進むことによって洋上風車への理解が深まり、日本海北部区域の事業が進むことを期待している」と話している。


取材・文/高橋健一

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