注目キーワード

English 日本語

> 業界トピック

長崎県五島市沖、浮体式風車が商業運転開始 再エネ海域利用法に基づく第1号案件が動き出す

長崎県五島市沖の浮体式洋上風力発電所が1月5日、商業運転を開始した。2100kWの風車8基、総出力1万6800kWで、再エネ海域利用法に基づき、国から公募占用計画の認定を受けた国内第1号の案件が動き出した。

メイン画像:五島市沖浮体式洋上風力発電所(写真提供 戸田建設)

 

<目次>
1.再エネ海域利用法に基づく 国内第1号の案件
2.8基の洋上風車は 地元の小中学生が名づけ親に
3.系統用蓄電池で 出力制御を抑制

 

再エネ海域利用法に基づく
国内第1号の案件


長崎県五島市沖の洋上風車

この事業は、戸田建設を代表企業としてENEOSリニューアブル・エナジー、大阪ガス、INPEX、関西電力、中部電力の6社が設立した「五島フローティングウィンドファーム合同会社」が実施している。出力2100kWの風車を8基設置し、総出力は1万6800kWである。

五島市沖の浮体式洋上風力発電所は、再エネ海域利用法に基づき、国から公募占用計画の認定を受けた国内第1号の案件で、複数機設置する商用浮体式洋上風力発電所としても国内初となる。

この発電所で採用したハイブリッドスパー型浮体は、浮体上部に鋼、浮体下部にコンクリートを採用する構造だ。代表企業である戸田建設が設計から施工まで行い、世界で初めて実用化した技術である。戸田建設は、洋上風車の大型化に対応した浮体の量産化に向けての技術開発を進めていく。

五島フローティングウィンドファーム合同会社は、「今後、長期にわたる本発電所の運営を通じて、再生可能エネルギーの普及や、地域の方々のより良い暮らしの実現に貢献します」としている。
 

 

8基の洋上風車は
地元の小中学生が名づけ親に


洋上風車8基の名称(出典 戸田建設)

五島フローティングウィンドファーム合同会社は昨年4月、発電所と8基の風車の名称を発表した。発電所の名称は「五島洋上ウィンドファーム」。8基の風車の名称は、五島市と新上五島町の小中学生から公募して選定した。名称披露式では、風車名称を命名した小中学生に記念品のトロフィーを授与した。合同会社では「風車の名称が、ウェブサイトやイベントなどを通じて広く認知されることにより、地域振興およびカーボンニュートラル化の認知促進へ繋がることを期待している」としている。

系統用蓄電池で
出力制御を抑制


蓄電システム概念図(出典 戸田建設)

五島洋上ウィンドファームは、固定価格買い取り制度を利用して九州電力に売電する。しかし、九州地方では再エネの導入拡大に伴い出力制御がたびたび実施されている。

戸田建設はイー・ウィンドと共同で、五島市が実施する系統用蓄電池運用技術開発事業に応募し採択された。両社は発電予測に基づいた蓄電池の充放電制御アルゴリズムや、市場環境および制度変更に対応可能な蓄電池運用システムを今年度中に構築し、来年度から五島市内に設置する系統用蓄電池でシステムの運用を開始する。これにより出力制御を抑制し、再生可能エネルギーを最大限活用していくことを目指している。
 

 

DATA

国内初の浮体式洋上ウィンドファーム「五島洋上ウィンドファーム」の商用運転開始


取材・文/ウインドジャーナル編集部

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.11 | ¥0
2026/9/9発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 北海道檜山沖でセントラル方式の追加調査 事業性を再検討へ
  2. 陸上風力の事業権取引で2億円詐取、事件の背景を徹底解説
  3. 韓国の海洋土木企業YUJOOのタイセル工法が実現する洋上風力のコスト構造改革
  4. ベスタスとEcowendeがIPMA Awardsを受賞、プロジェクト実行力とパートナーシップを評価
  5. 【洋上風力第1ラウンド】東京電力RPが千葉県銚子市沖で環境アセスを開始 再挑戦の背景とは
  6. 【洋上風力第2ラウンド】国産初のモノパイル3基が秋田港に到着、本格的なサプライチェーン構築の第一歩
  7. 秋田県男鹿市のブレード破損事故で最終報告 全国の風車設置者に保安規程の再検討を要請へ
  8. 『WIND JOURNAL』vol.11[2026年秋号]9/9発行!
  9. 経産省が落雷対策で緊急要請、自動停止閾値の再設定と停止点検を求める
  10. 停滞する洋上風力第4ラウンド 日本の構造的な課題が一気に噴出

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.11 | ¥0
2026/9/9発行

お詫びと訂正