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パワーエックス 2025年に世界初の電気運搬船を建造

自然エネルギーの普及と蓄電事業を展開するパワーエックスが、再生可能エネルギーでつくった電気を蓄電して海上輸送する「電気運搬船」の建造に着手する。同社によると、電気輸送が目的の船は世界初で、2025年の完成を目指す。

(アイキャッチ画像 電気運搬船のイメージ図 出典:パワーエックス)

初号船「X」の
詳細設計を発表

電気運搬船のイメージ図(出典 パワーエックス)

電気運搬船のイメージ図(出典 パワーエックス)

パワーエックスは、2021年3月に設立されたスタートアップ。三井物産や日本郵船、電源開発などが出資し、大型蓄電池の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開などに取り組む。今年5月に電気運搬船の初号船「X」の詳細設計を発表した。

初号船「X」は船長140m、全幅18.6m。デッキに96個のコンテナ型船舶用電池を搭載し、電気容量は240MWh。左舷側にある8ヶ所のコネクタにケーブルを接続すると、3時間で充放電できる。蓄電池は独自設計のモジュールで、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池セルを使用。6000サイクル以上の長寿命をもつ。

電気運搬船は、海の底に設置する海底ケーブルと比べ、地震や津波などの影響を受けにくいとしている。船で送電することで、送電システムの破損リスクを低減することもできる。大規模な災害時には、電気運搬船が停電などに見舞われた被災地へ向かい、国内外問わずに電力供給支援を行うことも期待される。

パワーエックスは、電気運搬船の所有・販売と海上送電オペレーションを担う新会社「海上パワーグリッド株式会社を、2023 年中に設立する予定。船に搭載するすべての蓄電池は、DNV や Class NK などのさまざまな国際船級認証や 適用規格に準拠する製品を、岡山県内で自社生産し、2024 年中に出荷する計画だ。初号船「X」は2025年の完成を目指す。2026年からは、横浜市や九州電力(福岡市)などと実証試験開始を目指す。

系統不足を補完
室蘭港を拠点利用へ

北海道室蘭市と包括連携協定(出典 パワーエックス)

北海道室蘭市と包括連携協定(出典 パワーエックス)

パワーエックスと室蘭市は今年7月、「電気運搬船及び蓄電池の開発及びその利活用による室蘭港のカーボンニュートラル形成及び地域の振興に向けた包括連携協定」を締結した。同社の電気運搬船について、室蘭港を北海道の拠点として利用することについて協議を進める。

北海道では、今後洋上風力発電などの再エネの導入が加速すると予想されているが、本州とのあいだの系統容量の不足が大きな課題となっている。パワーエックスは、系統容量の不足を電気運搬船で補完する計画。浮体式洋上風力発電の送電にも活用することで、海底ケーブルの敷設による事業費の増大や故障リスク、洋上変電設備での変圧といった課題の解決にも貢献できるとしている。

DATA

世界初の電気運搬船、初号船「X」の詳細設計を発表

室蘭市と電気運搬船及び蓄電池の開発及び利活用に向けて包括連携協定を締結


取材・文/高橋健一

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