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帝人の高性能パラ系アラミド繊維、浮体式の新たな用途を開拓

帝人のアラミド繊維が浮体式洋上風力発電で新たな用途を開拓した。英国企業などと新会社を設立し、浮体式送電ケーブルの補強材の開発・製造に乗り出した。

 

<目次>
1.超軽量で高い耐久性 浮体係留索に最適の素材
2.アラミド繊維の新たな用途 浮体式ケーブルの補強材

 

超軽量で高い耐久性
浮体係留索に最適の素材


パラ系アラミド繊維はスーパー繊維の代表格で、鉄に比べると、単位重量あたりの強度は8倍で、重さは6分の1。そのなかでも帝人のパラ系アラミド繊維「トワロン」は、海事産業のロープ製品、自動車、土木などの幅広い分野において高い機能性を発揮し、グローバル市場で確固たる地位を築いている。

長期にわたって高い張力がかかる洋上風力発電の浮体係留索としては、金属と比較して同等の弾性率を持ちながら、化学繊維で問題になる「クリープ(荷重をかけ続けると伸びてしまう現象)」がほとんど起こらないのが特長だという。浮体式風車は水深が深い海域に設置するため、係留索が長くなって敷設時の取り回しが困難になるのが大きな課題だ。

帝人のパートナー企業であるFibreMax(オランダ)のアラミド製係留索は、軽くて柔軟性WIND EXPOで革新的な新製品を展示が高いうえに耐久性が高く錆びることがない。しかも製造時にアラミド繊維をよらず、編まず、平行に並べているため、使い始めに伸びる要素がなく、欧州のTLP方式の浮体係留索に採用が決まっている。
 


 

アラミド繊維の新たな用途
浮体式ケーブルの補強材

帝人のアラミド繊維は、浮体式送電ケーブルの補強材としても注目を集めている。同社は2025年3月、英国の強化プラスチック素材メーカーなどと新会社を設立し、アラミド繊維を用いたケーブル補強材の開発・製造に乗り出した。浮体式風車は波で常に揺れるため、鋼製の補強材だと金属疲労で破断するおそれがある。アラミド繊維は、振動に強く柔軟性があるため、揺れ動く浮体式の送電ケーブルへの活用が期待されている。現在、欧州で実証試験を進めていて、早期の実用化を目指している。


FibreMaxのアラミド製クレーンペンダント(写真提供 帝人)

欧州における洋上風車設置船では、FibreMaxのアラミド製クレーンペンダントが採用されている。金属製のワイヤーとは異なり、軽量で油を差す必要がないため、メンテナンス作業や交換作業を軽減でき、安全性も高い。

帝人は、使用済みのアラミド繊維を回収・処理し、再びアラミド繊維へリサイクルする体制の構築を進めている。同社アラミド事業本部の高野恭介氏は「私たちの素材が、再エネ市場の発展、特に日本の大水深での洋上風力に大きく貢献できると確信しています。また、世界で初めてアラミド繊維のリサイクルにも成功しており、サステナビリティの面でも業界をリードしていきます」と力を込める。
 


 

問い合わせ


帝人株式会社 アラミド事業本部
TEL:03-3506-4628
MAIL:teijin-aramid-web@teijin.co.jp


取材・文:ウインドジャーナル編集部
写真:金子怜史

WIND JOURNAL vol.10(2026年春号)より転載

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