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【洋上風力第1ラウンド】千葉県銚子市沖 三菱商事が漁業振興に向けて追加的な施策を公表

千葉県銚子市沖の第7回法定協議会で、昨年9月に設立した「銚子地域の未来創造会議」の検討結果が公表された。漁業振興については、漁礁設置による増殖効果の検証などに新たに取り組むことを明らかにしている。

<目次>
1.銚子地域の未来創造会議が 検討結果を公表
2.再公募事業者への データ引き継ぎを要望
3.銚子市の越川市長 再公募を迅速・確実に

銚子地域の未来創造会議が
検討結果を公表

漁業振興に関する今後の取り組み(出典 三菱商事)

千葉県銚子市沖の洋上風力発電事業は、昨年8月に三菱商事を中心とする事業会社が撤退を表明したことを受けて、同年9月に第6回協議会が開催され、そこで三菱商事が撤退の経緯について説明した。同社は事業環境の大きな変化が撤退の理由としたうえで、地域振興や漁業振興などに継続して取り組んでいくとともに、次の事業者への円滑な引き継ぎの意思を表明していた。

その後、三菱商事は千葉県、銚子市、旭市、銚子市漁協、海匝漁協、銚子商工会議所などと「銚子地域の未来創造会議」を設立し、これまでに3回の会議を通じて、撤退後の地域協力の取り組みについて議論してきた。

今年2月に開催された第7回法定協議会(座長:永尾 徹 足利大学特任教授)では、これまでの検討結果を公表した。特に漁業振興の分野では、これまで実施してきた漁場実態調査、漁礁の設置、漁業関連施設の整備などに加えて、「きんめ漁場の詳細調査」「漁場改善施策の検証」「魚礁設置による増殖効果の検証」などの新たな取り組みを実施する。また、各漁協における至近で必要となる市場や漁港などの漁業関連施設の整備も継続する。さらに地元の水産品のPRや販路拡大にも取り組む。

地域創生の分野では、三菱商事銚子支店は活動を継続する。銚子市と同社が設置している実務者レベルの連絡会議を通じて、地域関係者のニーズを丁寧に把握し、取り組みの連携を深化させる。

 

 

再公募事業者への
データ引き継ぎを要望

千葉県銚子市沖

千葉県からは、銚子市の雇用創出、観光振興、地元産品の活用に関連して、新たな企画を含めてさらに発展的な取り組みについての要望が出された。具体的には、三菱グループ企業との連携による地域産品の拡販、観光業への協力、地元企業の活用とともに、再公募事業者へのノウハウやデータ引き継ぎなども同時に求めた。

法定協議会では、経済産業省と国土交通省の担当者が、事業環境整備や新たな公募制度の見直しなどについて説明した。そのなかでは、基地港湾における原状回復義務原則の緩和や、使用状況などの情報の見える化に加えて、海域占用期間終了後の更新についての見直しなどを報告した。
公募制度については、コスト低減を重視しつつ事業完遂、実現性を重点的に評価することとしたほか、供給価格点に上限価格と想定供給価格幅を設けて、実現性の乏しい低価格での提案が難しい仕組みに変更したことなどを説明した。

銚子市の越川市長
再公募を迅速・確実に

千葉県銚子市沖では、20年6月に開催された第3回法定協議会で、事業化に向けて意見集約をしている。今年2月の第7回法定協議会では、意見集約の内容について議論したが、出席者から異論が出されなかったため、内容の見直しを行わないことを申し合わせた。

海匝漁協代表理事組合長の伊藤勝康氏は、今後の再公募で選定される事業者に対して、「地元との共存共栄の理念を理解いただき、着実に共生策を実施するようご協力いただきたい」と要望した。銚子市の越川信一市長は、「地域の産業界との連携・協力体制を構築し、地域経済の活性化につなげて欲しい。また再生可能エネルギーの地産地消を推進するとともに、景観・文化財、周辺環境への配慮をお願いしたい。今後は再公募の手続きを迅速・確実に進めていただきたい」と述べた。関東旅客船協会の担当者は、「海洋環境教育にも連携して取り組んでほしい」と話した。

参加者からは「三菱商事を中心とする事業会社が実施した環境影響評価手続きのデータを、新たな選定事業者が活用できるのか」という質問が出された。これに対して環境省の担当者は、「後続の事業計画が明らかになった時点で、具体的な対応が決まっていく。データの引き継ぎについては、三菱商事を中心とする事業会社が後続事業者と調整することになる」と回答した。

法定協議会の事務局の千葉県商工労働部カーボンニュートラル推進課は、「事業者不在期間が出来るだけ短くなるよう。再公募の早期実施、確実に事業完遂できるように事業者の選定をお願いしたい。地元企業の活用やメンテナンス拠点港整備についても、理解がある事業者を選定してほしい」と要望した。最後に永尾座長が、「国は必要な手続きを早急に進めてもらいたい。今後、法定協議会は海洋再生可能エネルギー発電設備に関する法律のプロセス進捗に伴い、適宜開催する」と述べた。

 

 

DATA

千葉県銚子沖 第7回法定協議会

取材・文/宗 敦司

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