秋田市南部沖で洋上風力の事業化を 早期の促進区域指定を目指す
2023/12/04
秋田市は11月29日、同市の南側の沖合で洋上風力発電の事業化を目指す方針を正式に明らかにした。導入時期や規模は示していないが、市の新エネルギービジョンに整備構想を盛り込み、早期の促進区域への指定を目指す方針だ。
新エネルギービジョンに
整備構想を盛り込む
秋田港湾区域の洋上風車
秋田県沖では、現在、秋田市の北側の「男鹿市、潟上市、秋田市沖」で、発電事業者の選定が行われている。また、秋田市の南側に隣接する「由利本荘市沖」では、三菱商事を中心とする企業連合が2030年12月の運転開始を目指して事業を進めている。これに先立って、今年1月には秋田市の秋田港湾区域で、丸紅など13社で構成する特別目的会社「秋田洋上風力発電」が国内初の大規模商業運転を開始している。
秋田市が事業化を想定しているのは、秋田港よりも南側の海域。11月29日に開催された秋田市再生可能エネルギー推進検討委員会で、市側は、本市沖は洋上風力発電の高い導入ポテンシャルを有していることから、再エネ海域利用法に基づく一般海域の早期の促進区域指定を目指すとともに、洋上風力発電事業者が実施する地域貢献策として、本市の経済活性化や地元での洋上風力サプライチェーンの構築を働きかけていく考えを明らかにした。秋田市は2024年3月に成案化を目指す「秋田市新エネルギービジョン」に同市沖への洋上風力発電の整備構想を盛り込む方針。
秋田市北部に
再エネ工業団地を整備
再エネ工業団地での電力供給事業マスタープラン(出典 秋田県)
「秋田市新エネルギービジョン」では、洋上風力発電などの電力を活用して、秋田市北部に整備する県の再エネ工業団地に、輸送機産業(自動車、航空機)、電子部品産業、医療機器産業、情報産業・データセンターなどの企業誘致を進める計画。再エネ工業団地の工場用地は25ha程度となる計画で、第1期造成エリアでは2026年度から、第2期造成エリアでは2028年度から分譲を開始する見込み。
DATA
取材・文/高橋健一