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【インター・ドメイン】ビッグデータから最大事業収益を導く 世界初の高度分析ソリューション

米国スカイスペックス社の「運転分析サービス」は、世界の国々で蓄積したビッグデータを活用して、風力発電機の短期間停止や出力低下の原因を特定する。世界初の高度分析ソリューションが今年8月に日本国内で販売を開始した。

 

<目次>
1.出力低下の原因を詳細に明らかに
2.日本窓口は風況調査のエキスパート
3.パワーカーブの「点」を原因別に色分けして分類
4.ウェイクの原因を極座標グラフで解析
5.欧米などの国々で6500基の導入実績

 

出力低下の原因を
詳細に明らかに

風力タービンが頻繁な短時間停止に見舞われ、発電ロスや機器への負荷に悩まされている事業者は少なくない。短時間停止はさまざまな理由で発生する。油圧系統の油圧不足、ブレード負荷の異常、スリップリング(回転コネクタ)の不具合、電気・電子部品の温度上昇、センサーの不具合や故障など、原因は多岐にわたる。

米国スカイスペックス社の「運転分析サービス」は、風力発電機の遠隔監視システム(SCADA)の10分計測値から最大限の診断情報を引き出す。同社は、再生可能エネルギーの管理・運用を行うグローバル企業。AIと機械学習を用いて、風力発電所の保守・管理をより簡単にするソフトウェアサービスを展開している。欧米などの25ヶ国以上に顧客がおり、年間約50000基の分析を行っている。

スカイスペックス社の「運転分析サービス」は、風力発電機の短時間停止や出力低下の原因を特定するのが最大の特長だ。「部品の温度上昇による出力制御」、「センサーの故障」、「センサーへの結氷」、「乱流の影響」、「ウェイク」、「原因不明の運転停止」といった形で原因を特定する。高度な技術を持った専門スタッフが、世界の国々で蓄積したビッグデータを活用して原因を分析するのだ。

 


 

日本窓口は
風況調査のエキスパート


ドップラーライダー観測風況調査

スカイスペックス社の日本総代理店、インター・ドメイン代表取締役の杉本信策氏は「短期間停止や出力低下の原因が一目瞭然で、特に中小規模の発電事業者におすすめのソリューションです。メンテナンスの効率化にもつながります」と語る。

インター・ドメインは1989年に創業し、その翌年に小型風力発電機の販売を開始した。いまは、「マスト観測風況調査」と「ドップラーライダー観測調査」を主要業務としている。2000年には遠隔操作ができる風況観測装置を自社開発した。これまでにマスト観測は約400件、ドップラーライダー観測は約90件の導入実績があり、高い専門知識と技術力がある風況調査会社として国内の業界関係者の信頼を獲得している。

「これまでは、主に風力発電の計画段階の仕事をしてきました。これからは運転開始後の世界に踏み入れ、再エネの導入拡大にこれまで以上に貢献したいと考えています」と杉本氏は力を込める。

パワーカーブの「点」を
原因別に色分けして分類


図1 パワーカーブの分析事例① 改善前


図2 パワーカーブの分析事例① 改善後

ここからは、「運転分析サービス」のわかりやすい診断事例を紹介する。図1は、風力発電機の性能曲線(パワーカーブ)の診断結果だ。パワーカーブは、横軸に風速、縦軸に出力をとることで、風力発電機の発電性能を表すグラフである。風力発電機が正常に稼働すると、出力は風速の3乗に比例する。風速に対して出力が足りないところが「点」として表示される。

「運転分析サービス」は、SCADAから得られたデータをフィルター処理し、パワーカーブに乗らない「点」を原因別に色分けして分類する。フィルター処理作業では高度なAIが高速処理するが、経験豊富な人間の目が分類の判断には欠かせない。図1では、パワーカーブに「短期間の停止」、「ハブ油圧低下」、「ブレードブレーキ」の発動がみられることから、ハブ内の油圧低下がブレードブレーキを発動して断続的な短期間停止が多発したと結論付けた。

対策としては、ハブ油圧システムを点検して正常な状態に戻したのち、原因と考えられる問題点に対処したのかを確認すること、SCADA のイベントログから短期間停止の記録を保存するとともに、油圧部品の不具合を分析することを推奨した。図2は、対策を施したあとのパワーカーブだ。「点」の数が大幅に減り、短時間停止や出力低下がほとんどみられなくなったことがわかる。

 


 

ウェイクの原因を
極座標グラフで解析


図3 パワーカーブの分析事例② 改善前

図3は、別の風力発電機の診断事例。風が強まっているにも関わらず、出力が一定の数値にとどまっている様子がうかがえる。パワーエレクトロニクス部品の不具合、もしくは部品の昇温により、制御システムが出力を抑制していたのだ。対策として、部品の冷却ファンやフィルター機能をチェックすること、制御基板に問題がないかを確認することを推奨した。


図4 極座標グラフの分析事例 改善前

図4は、「ウェイク」、「短時間停止」、「乱流による出力への影響」を分類し、色別に表現した図だ。右図の上が北、左が西の方角で、黄色がウェイクを示す。円の中心は風速ゼロ、円の中心から離れるほど風が強い。診断の結果、西に位置する別のタービンからのウェイクを全風速帯で受けていることがわかる。ウェイクは、流入風速の計測への影響だけではなく、乱流の増大や発電ロス、タービンへの負荷の増加を引き起こす。ウェイクを抑える対策はなく、直接的な重要情報ではないが、他の出力への影響要因から排除するために検出され、間接的に重要な情報となる。

欧米などの国々で
6500基の導入実績

スカイスペックス社の「運転分析サービス」は、風力発電の先進国であるドイツ、英国、フランス、米国をはじめスウェーデン、豪州、ブラジル、ベトナムなど35ヶ国で導入実績がある。総容量20GW、約6500基の風力発電機を解析し、日々データをアップデートしている。

インター・ドメインの杉本氏は、「システムの利用者に対しては、診断結果を定期的にフィードバックし、発電所の運用を手厚くサポートします。これまで、ウェイクや乱流の影響、センサーの結氷といった事象は、原因の特定が困難でした。これからは原因分析を当社にお任せいただいて、現地スタッフが保守計画の策定と保守作業に専念できるような態勢づくりを進めていただけたらと考えています」と話している。

 


 

PRPFILE

インター・ドメイン株式会社
代表取締役
杉本信策氏

DATA


インター・ドメイン株式会社
横浜市保土ヶ谷区神戸町134 
横浜ビジネスパーク ウエストタワー11F
電話 045-459-9501


WIND JOURNAL vol.9(2025年秋号)より転載

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