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国内事例

風力発電の環境アセスメントから水中メンテナンスまで、コンサルティングも、東京久栄

環境影響評価(環境アセスメント)や海洋調査、火力・原子力発電所の取放水設備の設計・施工・メンテナンス、水産施設の企画・設計などを手掛ける総合エンジニアリング会社、東京久栄の長谷山吉史氏に、洋上風力発電施設向けの取り組みや「漁業協調」などについて聞いた。

――事業内容を教えてください。

環境影響評価(環境アセスメント)や海洋調査、生物分析、数値解析による予測などを行う「環境コンサルタント」、環境負荷を低減した取水・放水設備や水産施設の設計・施工などを行う「エンジニアリング」、水中設備の点検・手入れを行う「水中メンテナンス」、水産施設の設計・施工を行う「水産」の四つの部門があります。

「環境コンサルタント」部門で風力発電関係の業務は、主に環境調査、環境影響評価(環境アセスメント)を行っています。

「水中メンテナンス」部門は、ダイバーによる水中作業が主体ですが、水中点検ロボット(ROV・ドローン)などを使用した人的災害のリスクを回避した水中点検の実施や、まずROVでトラブル箇所の状況を把握し、安全性が確認できた上でダイバーが作業するという、安全で効率的な作業も提案します。当社はこのようなノウハウを生かして多数の風力発電設備のサポートに関わっていこうと考えています。

「漁業協調」も提案

「エンジニアリング」と「水産」部門では、「漁業協調」などを提案しています。洋上風力発電施設に関して、まだ日本国内では撤去の事例はありませんが、環境へのインパクトを抑えつつ、撤去コストも抑えられる「残置」が、今後テーマになると思います。そこで、残置した設備を漁礁として有効に活用し、長きにわたって地域の漁業に寄与するという選択肢が今後出てくると思います。


提供/東京久栄

また、漁業継承の一助として「漁業協調」という形で、大型陸上養殖施設を建設し、季節によっては漁に出られない時期のある地域であっても、通年水揚げのある安定した就労環境という選択肢も考えられます。(漁業従事者の)未来に希望をつなぐような「漁業協調」を提案できるのも、当社ならではと思っています。


提供/東京久栄

話を聞いた人


株式会社東京久栄
営業本部 担当部長
長谷山吉史氏


取材・文/山村敬一

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