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富山県入善町沖 商業運転開始で完成祝う式典

富山県入善町沖の洋上風力発電事業は、3基の風車の商業運転を9月22日に開始した。最大出力は約7500kW。10月17日には関係者が出席して完成を祝う式典が開かれた。

(アイキャッチ画像 出典:ウェンティ・ジャパン)

秋田市の再エネ事業会社が
孤軍奮闘して事業化

設置が完了した3基の洋上風車(出典 ウェンティ・ジャパン)

商業運転を開始した3基の洋上風車(出典 ウェンティ・ジャパン)

この事業は、入善町沖の水深約10~12mに3000kW級の風車を3基設置しら。最大出力は約7500kWで、一般家庭3600世帯分の電力使用量に相当する。総事業費は約61億円。発電した電力は、FITを活用して北陸電力送配電に1kW当たり36円で全量売電され、同電力管内で活用される。民間企業が100%出資して港湾などを除く一般海域に洋上風力発電所を設置するのは国内初となる。

当初は2020年に着工して2021年3月に稼働する計画だったが、事業主体の変更や設計見直しなどの影響で着工が遅れていた。その後、ウェンティ・ジャパン(秋田市)の単独事業として計画を見直し、新たな施工業者として清水建設とEPC契約(設計、調達、施工)を締結した。ウェンティ・ジャパンは、2012年に羽後設備(秋田市)、市民風力発電(札幌市)と、北都銀行(秋田市)をはじめとするフィデアグループなどが企画・設立した再エネ事業会社。入善町沖の事業主体となる「入善マリンウィンド合同会社」には今年3月、JFEエンジニアリングと北陸電力が出資参画している。JFEエンジニアリングは、入善町沖で風力発電のO&Mを初めて担当する。

10月17日には関係者が出席して完成を祝う式典が開かれた。ウェンティ・ジャパンの佐藤裕之社長は「漁業のみなさんとも共生という観点で十分な協議がしてきた。日本は洋上風力発電を進める必要があり、この地域で設備増強の環境が整ったら次のステップに踏み出したい」と話した。

地方銀行を主体に
67億円を事業融資

地方銀行を中心に洋上風力発電向けの事業融資を組成するのは初めて(出典 ウェンティ・ジャパン)

入善町沖の事業では、秋田、富山、新潟の地方銀行などが総額67億円を融資した。特定の事業から生み出される利益を返済の原資とし、債権保全のための担保も対象事業の資産に限定する「プロジェクトファイナンス(事業融資)」の手法を採用している。北都銀行が主幹事を務め、北陸銀行(富山市)と商工中金、第四北越銀行(新潟市)、富山銀行(富山県高岡市)、富山第一銀行(富山市)の6つの金融機関が参加する。

事業主体の入善マリンウィンド合同会社は、「一般海域における洋上風力発電事業の先駆けとして、本発電所の安全・安定運転に取り組むとともに、漁業をはじめ地元との共生を図りながら再生可能エネルギーの導入拡大を通じて脱炭素社会の実現に貢献してまいります」としている。

DATA

ウェンティ・ジャパン ホームページ


取材・文/高橋健一

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