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【東陽テクニカ】国内初! 油中粒子の監視システムを自社開発 ギヤボックスの異常を早期に検知

東陽テクニカは、ギヤボックスの潤滑油の異常を早期に検知して、設備のトラブルを未然に防止するシステムを自社開発した。高野俊也社長に、風力発電分野における事業の展望を聞いた。

 

<目次>
1.潤滑油内の摩耗粉を自動計測 傾向値から異常を早期発見
2.“はかる”技術で社会に貢献 計測ソリューションプロバイダーへ

 

潤滑油内の摩耗粉を自動計測
傾向値から異常を早期発見


PI-1000 油中粒子計測器(写真提供 東陽テクニカ)

東陽テクニカは、計測のリーディングカンパニーとして、約70年間にわたって最先端の計測装置を提供してきた。“はかる”という切り口は、あらゆる産業の技術革新に欠かせないことから、東陽テクニカの事業領域は、次世代自動車からエネルギー、情報通信に至るまで幅広い。

今年6月には、風力発電設備のギヤボックス内の潤滑油を無人で計測する装置「PI-1000 油中粒子計測器」を自社開発して発売した。自動車のエンジンオイルを計測する装置にヒントを得て、風力発電設備に向けてアップデートしたという。

 


潤滑油を監視する仕組み(提供 東陽テクニカ)

ギヤボックスから排出される潤滑油のルートに「PI-1000」を設置することで、潤滑油内の摩耗粉の量と大きさを自動で計測する。潤滑油内の摩耗粉は、ギヤボックスに異常がない状態でも発生し、摩耗粉の量と大きさは風力発電設備の規模や機種によってもさまざまだ。そのため、「PI-1000」は、監視すべき摩耗紛の大きさを任意に設定し、時間の経過とともに摩耗粉の量と大きさの変化を追うことが可能になっている。

 


良好な摩耗粉と危険な摩耗粉(提供 東陽テクニカ)
出典 Kenji Matsumoto, etc.” Metal Belt CVT Seizure Monitoring System Using Wear Debris Analysis and Particle Measurement“, SAE Technical Paper 2020-01-0907, 2020

従来、潤滑油の点検は、半年に1回などのタイミングで油を手作業で採取し、色などを目視で確認していた。これに対して、「PI-1000」は、潤滑油の状態を長期間にわたって、遠隔で無人監視でき、これが最大の特長の1つになっている。また、計測したデータはグラフとして確認できる。グラフの動きを追うことで、イレギュラーな摩耗粉の発生を比較的容易に発見することができる。風力発電業界ではメンテナンス人材の不足が指摘されているが、経験が少ないスタッフでも異常を早期に見つけやすい仕組みになっている。

また、油中の摩耗粉の計測にあたっては、計測のパイオニアである東陽テクニカの知見が生かされている。レーザーの光を摩耗粉に当てて量と大きさを計測するとき、油中に気泡があると正確に計測しにくい場合がある。「PI-1000」には油中の気泡を取り除く機能が搭載されており、高い精度で安定した計測が可能だという。

 


 

“はかる”技術で社会に貢献
計測ソリューションプロバイダーへ


株式会社東陽テクニカ 代表取締役社長 高野俊也氏

東陽テクニカは「“はかる”技術で未来を創る」という企業理念を掲げ、計測装置にとどまらない計測ソリューションを展開している。高野俊也社長は、「“はかる”技術は、あらゆる産業における技術革新に必要なものであり、当社は70年にわたり計測装置を中心とした技術商社としてイノベーションを支えてきました。技術革新のスピードはますます早くなり、社会のトレンドは時々刻々と変化しています。その現代において、お客さまが必要とするものも、設備や装置単体からより幅広いソリューションへと変わってきたと感じています。当社は、計測ソリューションプロバイダーとして、これまでのノウハウを結集しお客さまの課題解決につながる取り組みを進めていきたいと考えています」と企業理念に込めた思いを語る。

安心で安全な未来を創るためには、地球環境が持続可能でなければならないという考えから、脱炭素事業にも力を入れている。「今後、国内で洋上風力発電産業が拡大すると、設備の安全かつ安定的な稼働がより重要性を増します。当社は、音や振動のセンサの分野でも高いシェアを確保しており、こうした実績を活かして、風力発電設備の予防保全に貢献したいと考えています。研究機関や学術機関など、社内外のパートナーとのタッグで、時代が求める新しい計測ソリューションを追求していきます」と高野氏は前を向く。

 


 

DATA


株式会社東陽テクニカ
〒103-8284
東京都中央区八重洲一丁目1番6号
TEL:03-3279-0771


写真/都築大輔 取材・文/山下幸恵(office SOTO)

WIND JOURNAL vol.9(2025年秋号)より転載

Sponsored by 株式会社東陽テクニカ

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