注目キーワード

English 日本語

海外トレンド

洋上風力の電力は海底に貯める。揚水発電の仕組みを応用した蓄電システムが登場!

海外の次世代風力トピックを紹介する”WORLD WIND NEWS”。世界では画期的なソリューションが開発されている。太陽光発電でも耳にすることが多くなった「蓄電」が、洋上風力発電でも登場した。

from Netherlands
「オーシャン・バッテリー」


洋上風力発電所の海底に「オーシャン・バッテリー」を設置した様子(イメージ)。

オランダのフローニンゲン大学から独立したスタートアップ企業のオーシャン・グレーザーは、揚水発電の仕組みを応用した洋上風力発電所向けの電力貯蔵システムソリューション「オーシャン・バッテリー」を開発した。洋上風力発電所の近くの海底に設置されるバッテリーは、海底下に埋められた貯水槽から海底の浮袋へと水を汲み上げることで蓄電する仕組み。電力が必要になると、伸縮性のある浮袋の中の水が解放され、水力タービンを通じて貯水槽へと戻されることで発電し、電力を供給する。

メンテナンスはほぼ必要なく、数十年にわたって利用できる。レアアースを使わないため環境にやさしく、海洋生態系に影響を及ぼすこともない。2022年1月にはハイテク技術分野の国際見本市「CES」で「イノベーションアワード」を受賞し、世界的な注目を集めている。

DATA

オーシャン・グレーザー

©Ocean Grazer


文:松岡由希子

WIND JOURNAL vol.2(2022年春号)より転載

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 「風車国産化をエネルギー安全保障として明確に位置づけるべき」足利大学 永尾特任教授が講演
  2. ブレード落下事故からの信頼回復。ゾーニングで地元住民を守る区分けを
  3. 【洋上風力の事業環境整備】新たな公募制度の方向性をとりまとめ 年明け以降に 再公募を実施へ
  4. 【参加受付中!】第5回WINDビジネスフォーラム 「風力発電の安全対策とサプライチェーン構築」
  5. 大規模蓄電の未来を変える 「CO2バッテリー」
  6. 風力発電の安全対策と信頼回復。秋田市のブレード落下事故を徹底検証
  7. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  8. 洋上風力発電の導入促進へ EEZ内設置に向け改正法が成立 
  9. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  10. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正