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大規模蓄電の未来を変える 「CO2バッテリー」

洋上風力はじめ大規模な再エネ発電設備にとって、 蓄電池の併設は大きなテーマだ。リチウムイオン電池の限界も指摘されるなか、まったく新しい蓄電システムが動き出そうとしている。CO2バッテリー、その魅力はどこにあるのか?

世界の最新技術を日本へ
日揮がFSを開始する

出力変動の緩和に向けて、これからの洋上風力プロジェクトには大規模な蓄電システムの併設が求められる。蓄電池といえば、従来はリチウムイオン電池が主流だったが、コストや経年劣化など未解決の課題も少なくない。世界では、これに替わり得る、新しい蓄電システムの開発が競われている。

日揮は、このほどイタリアのEDome(エナジードーム)社と、同社が開発した「CO2バッテリー」を日本国内に導入すべく共同でFSを実施することで合意した。CO2バッテリーは、次世代・大規模蓄電システムの1つとして注目される革新的なソリューションだ。

CO2バッテリーでは、文字どおりCO2を利用して電気エネルギーを蓄える。CO2はドームに貯蔵されており、充電時には電気を使ってコンプレッサーを動かし、圧縮・液化させて圧力容器に移す。放電時には液体CO2にかけていた圧力を解放し、膨張させて気体に戻す。その時のエネルギーでタービンを回して発電する。 タービンを出た後のCO2はドームに戻り、次の充電に備えることになる。

 

経年劣化がなく、低コスト
長期安定電源の運用に

日揮で同プロジェクトを主導するリニューアブルエネルギーソリューション部 第1グループ グループリーダーの野田寿貴氏は、CO2バッテリーのメリットを次のように話す。「CO2バッテリーは経年劣化がほとんどなく、環境負荷も小さく、さらにリチウムイオン電池に比べてコストも大幅に抑えられる見込みです。弊社では、現行のリチウムイオン電池はじめ各種蓄電システムのご提案を行っておりますが、このCO2バッテリーは今後長期的な運用が求められる大規模蓄電システムに相応しいもののひとつと考えており、国内への商業規模の大型蓄電システムの導入可能性について、設置場所・環境や法制度等を踏まえたFSを実施したいと考えています」。

エナジードーム社は、2022年にパイロットプラントの実証を終了し、2023年中にイタリアにおいて世界初の商用プラントの建設を開始する。出力20MW、蓄電容量200MWhの大規模蓄電システムであり、日本で日揮が導入を目指すのも同タイプのプラントとなる。 出力20MW は標準的な設備であり、複数のユニットを組み合わせることで、より大規模なエネルギー貯蔵が可能となる。

野田氏は、「CO2バッテリーのEPCにおいて扱う機器が日揮で通常扱うプラントに類似することから、建設コスト及びスケジュールを最適化できる可能性もあり、エンジニアリング会社との親和性も高い。国内のみならずアジア、さらには弊社が強みをもつ中東、アフリカ等でのEPCを請け負うことも視野に入れて検討を進めたい」とも述べている。

日揮としては、これまでの再エネ発電設備の建設に加え、幅広いエネルギー貯蔵システムをメニューに加えることで、世界の脱炭素化に貢献していく考えだ。

 

問い合わせ



日揮株式会社
神奈川県横浜市西区
みなとみらい2-3-1
TEL :045-682-1111


取材・文/廣町公則

WIND JOURNAL vol.05(2023年秋号)より転載

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