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経産省がシーメンスガメサと覚書を締結 風力発電のサプライチェーン構築へ

経済産業省は6月24日、大手風車メーカーのシーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(スペイン)と官民協力の新たな枠組みを立ち上げる覚書を締結する。同社と国内企業の連携を促進し、風力発電のサプライチェーン構築を目指す。

メイン画像:シーメンスガメサ製の石狩湾新港沖洋上風車

<目次>
1.部品供給網への参入を経産省が支援
2.TDKと覚書を締結 永久磁石を供給

 

部品供給網への参入を
経産省が支援

海外の大手風車メーカーの官民協力の枠組みは6月10日のGEベルノバ(米国)に続いて2例目。経産省は、国内企業がシーメンスガメサのサプライチェーンに参入できるように支援する。シーメンスガメサは、パートナー企業を確保するため、3年前から北海道や青森、山形、千葉など全国各地で地元企業を対象に、風車部品製造への参入についてのビジネスマッチングセミナーを開催している。将来的には日本国内のプロジェクトだけでなく、同社のグローバルなプロジェクトにも導入できるさまざまな部品を、日本のサプライヤーから調達する方針だ。

シーメンスガメサは、日本国内では1999年に初めて陸上風車を設置し、2024年8月までに石狩湾新港沖の洋上風車を含め、洋上・陸上合わせて1242MWの風車を導入している。洋上風力第3ラウンドでは、事業者を公募した青森沖、山形沖の2海域でシーメンスガメサ製の風車が採用された。同社は、世界の国々のプロジェクトに風車を安定的に供給するため、台湾や日本、韓国を中心としたアジア圏で継続的に営業努力をしてサプライヤーを確保し、事業実現性と確実性を高めていく考えだ。

 

 

TDKと覚書を締結
永久磁石を供給

TDK
TDKが開発したネオジムマグネット(出典 TDK)

シーメンスガメサは合わせて大手電子部品メーカーのTDKとも覚書を交わす。TDKがシーメンスガメサに対し、発電機に使用する永久磁石を供給する。TDKはレアアースの使用が少ない磁石の製造に取り組んでいて、経済安全保障上のリスク低減が期待できる。

DATA

洋上風力発電分野における企業間協力覚書署名式及び経済産業省とシーメンスガメサリニューアブルエナジー社による官民協力枠組み設立式を開催しました


取材・文/高橋健一

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