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秋田市の風力発電所、太陽光を併設し「ハイブリッド発電」を開始

三菱HCキャピタルが、風力と太陽光による「ハイブリッド発電所」の運転を秋田市で開始した。風力発電の出力が低下する場合には、太陽光発電の出力を調整することで、年間を通じて安定した発電を目指すという。

風力と太陽光のハイブリッド
年間通じ安定した発電を目指す

三菱HCキャピタルのグループ会社であるHWPは7月1日、秋田市の風力発電所に新たに太陽光発電設備を併設した「秋田天秤野ハイブリッド太陽光発電所」の運転を開始したと発表した。三菱HCキャピタルとは、三菱UFJリースと日立キャピタルが合併し、2021年に誕生した総合リース会社だ。

HWP(旧:日立ウィンドパワー)は2015年、出力1,990kWの秋田天秤野風力発電所を竣工した。これは、日立製のダウンウィンド型風力発電システム「HTW2.1-80A」の初号機で、風が強い地域でも発電できるという特徴がある。

今回、この秋田天秤野風力発電所周辺の遊休地を活用し、既存の風力発電設備の隣に1,100kWの太陽光発電設備を設置したという。系統の空き容量2,000kWを有効利用する目的もあるとしている。

運用方法としては、風力と太陽光のハイブリッド発電により、天秤野風力発電の出力が基準値を下回る場合には、太陽光発電の出力を調整し、風力発電の不足分を補う。これによって、年間を通じた安定的な電力供給を目指すとしている。

吹上風に強いダウンウィンド式
強風でも効率よく発電が可能

秋田天秤野風力発電所で採用されている発電システムの「ダウンウィンド式」とは、どのような風車なのか。

現在、世界で主流になっているのは「アップウィンド式」の風車だ。アップウィンド式では、ロータ(回転翼)がタワーやナセルの風上側に設置される。

一方で、ダウンウィンド式では、ロータを風下側に向けて設置する。つまり、ロータが風車の正面であるとするなら、風を前方から受けるか、後方から受けるかの違いがあるといえる。


(アップウィンド方式とダウンウィンド方式のロータ位置の違い。出典:NEDO 再生可能エネルギー技術白書 第2版)

ダウンウィンド式では、ロータが風上から見て下方に傾いている。そのため、地表から吹き上げる風を効率良く受け止めることができる。逆に、アップウィンド式では吹き上げる風に対しては発電効率が低下する。

また、ダウンウィンド式では、風向風速計をロータの前方に設置することができる。これによって、乱れの少ない風向データを集めることができるとされ、より理想的な制御ができると期待される。

DATA

三菱HCキャピタル株式会社:秋田県秋田市にて太陽光・風力によるハイブリッド型発電所の運転を開始


文:山下幸恵(office SOTO)

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