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川崎汽船グループと五洋建設、洋上風力の建設・保守分野において協業

海運大手・川崎汽船グループのケイライン・ウインド・サービスが、マリコン大手の五洋建設と洋上風力の建設・保守に関して協業することで合意した。両者は、運航や保守、船員の管理について協力し、洋上風力の建設における競争力の強化を目指すという。

マリコンと海運の大手がタッグ
洋上風車の建設・保守分野で協業

川崎汽船グループで洋上風力の作業船事業を営むケイライン・ウインド・サービスは8月25日、五洋建設と覚書を締結したと発表した。洋上風力発電事業の建設・保守分野における船舶の管理などについて、協業することで合意したという。

五洋建設は、子会社のジャパンオフショアマリンが所有する予定であるSEP船を日本船籍に変更するなどの業務や、その後の運航・保守・船員の管理に関する業務について、ケイライン・ウインド・サービスへ委託する。また、ケイライン・ウインド・サービスが保有するオフショア支援船も活用するという。

さらに今後、運転開始後のO&Mに必要とされる大型作業支援船(Service Operation Vessel、SOV)などの船舶についても、両者で協業することを前提に検討を進めるとした。なお、SOVとは、船内に多くの宿泊設備を備え、一定期間、洋上での活動を可能にするオフショア支援船だ。洋上風力発電所のメンテナンスを行う技術者らを複数の洋上風車に派遣する場合などに利用される。

オフショア支援船の新造でも協力
洋上風力建設の競争力を強化へ

川崎近海汽船と五洋建設はこれまでも、オフショア支援船の「かいこう」を新造するなど協業関係を築いてきた。「かいこう」は2021年に竣工された6,000馬力のオフショア支援船で、SEP船を曳航する役割を担う。川崎汽船グループのケイライン・ウインド・サービスは、川崎汽船と川崎近海汽船の合弁会社として2021年6月に設立された。オフショア作業船・支援船事業に関するノウハウを結集し、洋上風力建設・保守分野に貢献することを目指している。

一方の五洋建設は今後、グループを挙げてSEP船の保有に力を入れる考えだ。すでに国内初の大型クレーンを搭載した「CP-8001」(2019年就役)を所有しているが、さらに2隻の建造を進めている。現在、鹿島建設・寄神建設と共同で建造している「CP-16001」は2023年3月に就役の予定で、子会社のジャパンオフショアマリンが保有する予定の「Sea Challenger」は、2025年春の就役を目指している。

同社はさらに、ケーブル敷設船など、洋上風力発電設備の建設における競争力を強化するのに必要な作業船を拡充する予定だとしている。

DATA

川崎汽船株式会社プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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