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秋田県 浮体式の係留アイデアを一般から募集

洋上風力発電の導入を進める秋田県が、「浮体式」の係留アイデアを募集している。浮体式は、「着床式」に比べて水深が深いエリアに設置できるが、技術面やコスト面の課題が指摘されている。秋田県では専門の事業者はもちろん、広く一般から係留アイデアを募集し、洋上風力発電への関心を高めたいと話している。

広く一般から
斬新なアイデアを期待


浮体式のアイデア例(秋田県のホームページより)

秋田県の沖合では複数の洋上風力発電事業が進められている。秋田県沿岸は四季を通して安定した西風が吹き、水深60メートル以下の遠浅の海が広がっていることから着床式洋上風力発電の適地とされている。しかし今後、日本国内で再エネ電力を拡大するためには、秋田県の沖合でも浮体式の普及促進が欠かせないと言われている。

そこで秋田県は、洋上風力発電への関心を高めるとともに、イノベイティブな新産業の振興を目的に、浮体式の係留についての自由な発想やアイデアを募集している。応募資格の制限はなく、秋田県では「子供からお年寄りまで広く一般から斬新なアイデアを期待している」(担当者)と話している。応募作品は、各種イベントで展示するほか、浮体メーカーなどへ情報提供を行う。10月24日までに県外から数件の応募が寄せられている。募集要項は下記の通り。

浮体式洋上風力発電の係留アイデアを募集
<応募資格> 資格制限はありません
<募集期間> 令和4年10月1日(土)~10月31日(月)
<応募方法> 応募様式に必要事項を記載し、メールでご応募ください
<秋田県のホームページ> 
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/68380

秋田県沖で
浮体式ハイブリッド係留の実証試験


秋田県沖で実施されている浮体式「セミサブ型」の実証試験=9月23日

秋田県の潟上市沖では、浮体の半分を潜水させる「セミサブ型」の実証試験が9月から行われている。実証試験を行っているのは、造船大手のジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)。JMUは、出力1万2000キロワット級の大型風車に対応したセミサブ型浮体デザインの開発を進めている。秋田県沖の実証試験では、9分の1のサイズの模型を海に浮かべている。

秋田県沖の実証試験では、係留ロープの軽量化の可能性を探るため、鋼製チェーンと合成繊維ロープ(ナイロン)を組み合わせたハイブリッド係留を採用している。張力を変えて係留する試験も行い、冬期間や台風などの悪天候に長期間耐えられるかについても調べることにしている。浮体式洋上風力発電は、国内では実証試験段階にとどまっているが、係留ロープの軽量化が実現すれば、施工や輸送にかかる費用が大幅に低減され、採算性の向上が期待される。

世界洋上風力発電サミットで
応募作品を展示

11月上旬には秋田市で、「世界洋上風力発電サミット2022」が開催される。主催は、一般社団法人日本風力発電協会。洋上風力発電の導入を進める秋田県エネルギー・資源振興課では、このイベントで応募作品を展示して浮体式の仕組みや秋田県の取り組みへの理解を深めたいとしている。

「世界洋上風力発電サミット2022」は、11月9日(水)10日(木)に秋田市のあきた芸術劇場「ミルハス」で開催される。国の政策担当者の基調講演やパネルディスカッション、欧州の先進事例の報告が行われる。洋上風力発電の部品の国内調達をどのように進めていくのかについても議論する。秋田県は、11月8日(火)から10日(木)までの期間を「洋上WEEK!」と名付けて、県民を対象にしたセミナーや風車音の体験イベントなどを開催する。

<秋田県 浮体式係留アイデア募集のホームページ>
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/68380
<世界洋上風力発電サミット2022 ホームページ>
https://gows-j.com/
<秋田県「洋上WEEK!」のホームページ>
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/68747


取材・文/高橋健一

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