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政策・制度

【一般海域最新動向】北海道の5海域を「有望な区域」に追加

経済産業省と国土交通省は5月12日、北海道の「石狩市沖」「岩宇・南後志地区沖」「島牧沖」「檜山沖」「松前沖」の5海域を、再エネ海域利用法に基づく「有望な区域」に追加すると発表した。「系統確保スキーム」の適用を前提に例外的に選定を前倒しした。

系統確保スキームの
適用が前提

石狩市沖

有望な区域に選定された北海道石狩市沖

これまで北海道の「石狩市沖」「岩宇・南後志地区沖」「島牧沖」「檜山沖」「松前沖」の5海域は、「一定の準備段階に進んでいる区域」に整理されていた。しかし、北海道では発電・変電・送電・配電を統合した系統の規模が小さく、出力変動に対応するための調整力の観点など、系統に関する課題があるため、事業者が系統確保を行うこれまでの方法とは違う対応が必要とされていた。

このため、国は2021年7月の区域指定ガイドラインの改訂により導入された、国が対象区域の適切な出力規模を定め、必要な系統容量をあらかじめ暫定的に確保する「系統確保スキーム」の適用を前提に、北海道における準備区域の5海域を対象に、2022年度、必要な出力規模や系統接続の確実性の度合いの確認などを行うための調査を実施した。

2022年度の調査では、各海域で想定される発電出力規模を算定するとともに、その内容が既存系統に接続可能かについて検討した。その結果、いずれの海域も出力変動などに起因する電圧対策などの実施を条件に、ノンファーム型接続による連系が可能であることを確認した。また、将来、国が発電事業者の公募を実施する際は、事業者が確保した系統接続契約を活用するのではなく、対象区域における系統接続の前提条件として、発電出力規模や技術的要件といった情報を国が整理することとしている。

北海道の5海域
参入の動きが活発化へ

檜山沖

2事業体が参入している北海道檜山沖

今回の追加選定により、「有望な区域」は北海道石狩市沖、北海道岩宇・南後志地区沖、北海道島牧沖、北海道檜山沖、北海道松前沖、 青森県沖日本海(北側)、青森県沖日本海(南側)、山形県遊佐町沖、千葉県九十九里沖、千葉県いすみ市沖の4道県の計10海域となった。「有望な区域」に選定されると、洋上風力発電の整備を優先的に進める「促進区域」への指定に向けて法定協議会が設置される。

促進区域に指定されると、発電事業者が公募され、国に認められた1事業者がその海域を最長30年占有することができる。北海道石狩市沖の一般海域では9事業体が洋上風力発電計画を公表していて、島牧沖では3事業体、檜山沖では2事業体が計画を明らかにしている。北海道の5海域は「有望な区域」に選定されたことにより、これから各事業体の参入の動きが活発化しそうだ。

経済産業省と国土交通省は、今回の追加選定は2022年度の調査結果を踏まえて先行して実施したもので、都道府県に対する5月10日締め切りの情報提供に基づく区域の整理については、例年と同様にこの夏をメドに別途実施すると説明している。

DATA

経済産業省ホームページ


取材・文/高橋健一

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