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日英が「広島協定」 洋上風力などで3兆円を対英投資

G7=主要7カ国首脳会議が19日、広島市で開幕した。英国のスナク首相は洋上風力発電などの再生可能エネルギーを中心に180億ポンド(約3兆円)の新たな対英投資を日本企業が実施する計画を明らかにした。

丸紅と住友商事が
洋上風力に巨額投資

洋上風力

丸紅と住友商事が英国沖洋上風力に巨額投資

スナク首相は18日、日英2国間の経済・安全保障・技術協力を強化する「広島協定」の概要を明らかにした。英首相官邸の発表資料によると、丸紅とパートナー企業が洋上風力発電などの再エネを中心に今後10年で約100億ポンド(約1兆6700億円)を投資する。住友商事も英東海岸地域の洋上風力発電プロジェクトに約40億ポンド(約6700億円)を投じる。さらに、三菱地所と三井不動産は比較的安価な住宅建設やオフィスビルの整備などに35億ポンド(約5800億円)の投資を行う。

G7広島サミットでは、ウクライナ問題とともに地球温暖化対策が重要なテーマとなる。4月に札幌市で行われたG7=主要7カ国の気候・エネルギー・環境相会合では、石炭火力発電の廃止時期を明示しない一方、石炭や天然ガスなどの化石燃料について、二酸化炭素の排出削減の対策が取られない場合、段階的に廃止することで合意した。自動車分野の脱炭素化については、エンジン車なども含めた各国の保有台数をベースにG7各国で二酸化炭素の排出量を2035年までに2000年に比べて50%削減できるよう、進捗を毎年確認することで合意している。

地球温暖化をめぐっては、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が3月に公表した第6次統合報告書で、温室効果ガス削減を急ぐよう各国に促している。温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は気温上昇を2度未満とし、さらに1.5度に抑えるために努力することを求めている。2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の成果文書にも、1.5度抑制への努力を求める内容が盛り込まれた。気温の上昇幅を1.5度にとどめることで猛暑や豪雨といった異常気象のリスクを抑えられるとしている。G7広島サミットで、日本政府は4月の気候・エネルギー・環境相会合の合意内容をG7広島サミットでの議論に反映させる方針。


取材・文/高橋健一

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