関電とRWE、和歌山沖で浮体式計画 最大100万kW
2023/07/20
関西電力は6月30日、RWEリニューアブルズジャパンと和歌山県御坊市、印南町の沖合で浮体式洋上風力発電の事業計画を公表した。総出力は最大100万kW。環境影響評価の第1段階である計画段階環境配慮書の縦覧を7月4日から開始している。
和歌山県が
事業検討エリアに設定
事業実施想定区域(出典 関西電力)
事業を想定しているのは、和歌山県西部の御坊市と印南市の沖合約10~30キロの海域。再エネ海域利用法に基づく区域整理が行われていないが、平均風速8.9mと風況が良い。和歌山県の洋上風力発電調査では、環境への影響が比較的小さく、社会的事項や事業性を踏まえたうえで、事業の可能性について検討していく「調整エリア」に位置付けられている。
総出力100万kW
浮体式を想定
環境影響評価の計画段階環境配慮書(出典 関西電力)
計画では9500~2万kW級の風力発電設備50~110基程度を設置する。総出力は最大100万kWでは原子力発電1基分に相当する。2万kWの風車を採用すると、海水面から最大の高さは310m、ブレードの直径は284mに達する。水深が深いため、風車を海底に固定しない浮体式を想定している。現時点では、基礎構造としてポンツーン(パージ)型、セミサブ型、スパー型、TLP型の4つの形式を検討している。今後の技術開発により、これ以外の形式についても検討するとしている。
関西電力とRWEリニューアブルズジャパンは6月30日、環境影響評価の計画段階環境配慮書を経済産業大臣に提出し、岸本周平知事に意見を求めた。配慮書は7月4日(火)から8月2日(水)まで、和歌山県庁、御坊市役所、印南町役場で縦覧するほか、関西電力のホームページでも閲覧できる。RWEリニューアブルズジャパンは、ドイツ最大のエネルギー事業会社RWEの日本法人。
和歌山県沖では、2019年4月にパシフィコ・エナジーが御坊市、日高町、美浜町の沖合に着床式風力発電設備を設置する計画を公表し、環境影響評価の評価書の縦覧を行った。計画では、1基あたり5000~1万2000kW級の風車を最大150基設置する。総出力は最大75万kWを想定している。
DATA
取材・文/高橋健一