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“貫通部”の世界シェア9割 ロクステックの密閉ソリューション

水密、気密、耐火、振動まるごとカバー!ケーブルやパイプを通す貫通部の処理は、設備の性能を維持するだけでなく、風車内部の作業員の安全を守るためにも重要だ。“貫通部のエキスパート”のロクステックが、欧州の洋上風力で築き上げたソリューションを提供する。

なぜ貫通部処理が重要なのか
安全性や工程の進捗にも影響

設備の一部に穴を開けるなどしてケーブルやパイプを通す箇所を「貫通部」という。壁に穴を開ける貫通部では、もともとの壁の性能である防火や水密、気密といった機能がどうしても損なわれてしまう。適切に密閉されていないと、設備の内部に水分や湿気、ほこりや塩分などが浸入して重要な機器に支障をきたす恐れがある。特に、洋上風力発電設備は常に波浪にさらされる過酷な環境にあるが、海底から発生する有毒ガスは気密デッキでしっかり遮断して、作業員の安全を守り、安定的な稼働を維持しなければならない。そのため、貫通部を密閉して壁の防火や水密などの性能を回復させる処置が重要だ。その役割を担うのが、貫通部のシール材。欧州で先行する洋上風力発電設備では、シール材で貫通部を保護することが常識となっている。

貫通部におけるシール材の世界シェア9割を誇るのが、スウェーデンを本拠とするロクステックだ。同社のシール材は、船舶をはじめ洋上風力発電設備の貫通部に多く採用されている。そのシェアの高さから、欧州では「貫通部といえばロクステック」と広く認知されているほどだ。ロクステック・ジャパンでマネージングディレクターを務める村越元彰氏は、洋上風力発電におけるシール材の重要性について次のように話す。「洋上風力発電設備はアクセスするのが難しく、トラブルのリスクを抑え作業員による補修やメンテナンスを最小限に抑えることが重要。だからこそ、設計の早い段階から貫通部の処理を検討することが、安全・安心かつ工程をスムーズに進めるうえでカギを握るのです」。

 

トランジションピースだけじゃない!シール材の活用場面

 

25年間メンテナンスフリー
コスト低減に役立つシール材


 

もともと潜水艦などの船舶向けに開発されたというロクステックのシール材は、耐火・気密・水密性能に加えて、振動減衰・耐UV・耐塩害性能を備えている。最大の強みは、洋上でも1つのシール材を25年間にわたってメンテナンスフリーで使用できるという高い耐久性だ。欧州の洋上風力発電では、タービンメーカーが同社のシール材を指定することも多いという。「長期にメンテナンスが不要という特長から、洋上風車のトランジションピースや人が作業する気密エリア、タワーのケーブルの貫通部、換気用のベンチレーションなどさまざまなところで使用されています」とパワー・インフラ事業のチームリーダー・青木伸泰氏は説明する。

1990年の設立以来、世界の洋上プラントや船舶などへシール材を提供してきた同社は、貫通部処理の豊富なノウハウをもとに、シール材のカスタマイズにも力を入れる。国内の洋上風力プロジェクトで換気用の貫通部に採用された際には、顧客の要望に応じて丸型のシール材を楕円形に変更した。これによって躯体に与えるストレスを軽減し、躯体を薄くすることでコスト削減につながったという。「貫通部処理を現場任せにするのではなく、設計段階に組み込むことでコストダウンが可能になります。欧州での実績をもとにメンテナンスコストの低減なども提案し、国内の洋上風力発電事業に貢献したい」と村越氏は力を込める。

 

今回お話を聞いた方

マネージングディレクター村越元彰氏(左)、パワー・インフラ事業チームリーダー青木伸泰氏(右)

 

問い合わせ

ロクステック・ジャパン株式会社
〒105-0013
東京都港区浜松町1-6-15
VORT浜松町1階
TEL:03-4550-0730
FAX:03-4550-0731
MAIL:jp-market@roxtec.com


取材・文/山下幸恵(office SOTO)

WIND JOURNAL vol.05(2023年夏号)より転載

Sponsored by ロクステック・ジャパン株式会社

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