東京都 再エネファンドの第1号案件に北海道の陸上風力
2023/10/10
東京都は10月4日、脱炭素社会の構築につながる投資に資金提供する官民連携ファンド「サステナブルエネルギーファンド」の第1号案件として、北海道豊富町の陸上風力発電プロジェクトに投資したと発表した。
100億円規模で運用
脱炭素事業に投資
東京都 サステナブルエネルギーファンドのスキーム(出典 東京都)
東京都は、グリーンファイナンスの発展、脱炭素社会の構築に向けて、サステナブルエネルギーファンドを2022年3月に創設し、再生可能エネルギー発電所やクリーンエネルギー拠点などの整備を促進する方針を打ち出していた。運営事業者として再エネ系新電力のLooop(東京都台東区)を選定している。
東京都は2021年3月に「ゼロエミッション東京戦略2020 Update&Report」を発表し、東京を国際金融都市に発展させるための施策として「グリーンファイナンス」の拡大に取り組む意向を表明している。サステナブルエネルギーファンドには東京都が10億円を出資し、広く民間からも資金を集めて100億円規模で運用する。2037年までの15年間、運営を続ける。これまでにファンドには、東京都のほか、センコーコーポレーション、東銀リース、Looopが投資家として参画している。
第1号案件は
北海道の陸上風力事業
ウィンドファーム豊富の完成予想図(出典 中部電力)
第1号案件の投資先になった北海道北部の豊富町は、北は稚内市、南は幌延町、東は猿払村に隣接し、西は日本海に面している。豊富町で2024年4月に運転開始する予定の陸上風力発電プロジェクトに投資する。発電事業の運営会社は、Looop51%、中部電力49%の出資により設立された「豊富Wind Energy合同会社」で、出力は約3万kW。投資額は約15億円で、経費も含めてファンド総額の約17億円をほぼ使い切る。
東京都は、2030年に都内から排出される温室効果ガスを2000年比で半減させる「30年カーボンハーフ」をスローガンに掲げている。今後も、国内の太陽光発電や風力発電などの再エネ発電所建設、水素ステーション開設や大型の蓄電池設置といったクリーンエネルギー拠点の整備などを対象に投資を進める。
DATA
東京都 サステナブルエネルギーファンドの第一号投資案件について
取材・文/高橋健一