注目キーワード

English 日本語

政策・制度

徳島県美浜町沖浮体式洋上風力、県環境影響評価審査会「科学的な調査実施を」 

徳島県美波町沖で計画されている浮体式洋上風力発電をめぐる環境影響評価審査会が5月21日に開かれ、周辺に生息する魚やウミガメなどへの影響について科学的に調査を実施し、適切に予測、評価を行う必要があるとする答申案が示された。

美波町の南東沖に
浮体式風車2基を設置

徳島県美波町沖の風況調査

徳島県美波町沖の風況・海況調査(出典 SSEパシフィコ)

SSEパシフィコは、2021年11月に再生可能エネルギー開発・運営の国内大手、パシフィコ・エナジーと英エネルギー大手のSSEリニューアブルズが共同で設立した。

同社が洋上風力発電事業を計画しているのは、美波町の由岐漁港の南東沖約5キロの海域。水深約70~90メートルの地点に浮体式の風車2基を設置する。最大出力は約3万kWで、1基あたり1万2000~1万8000kWを見込んでいる。風車の直径は220~270メートル。基礎となる柱の高さは海面から約140~190メートル。実現すれば四国で初めての洋上風力発電所になる。

科学的に調査して
環境への影響を適切に予測すべき

徳島県美波町沖 事業実施想定区域

徳島県美波町沖の事業実施想定区域(出典:SSEパシフィコ)

この計画をめぐる徳島県の環境影響評価審査会が5月21日に開かれ、答申案を示した。事業の想定区域には鳥類や魚類、ウミガメなどが生息している。答申案では、レーダーや計量魚群探知機を用いて科学的に調査し、環境への影響を適切に予測して評価する必要があるとしている。

また、南海トラフ巨大地震などの自然災害が発生した場合は、事故やトラブルが起きた場合に備えることも必要だとしている。今後、審査会の意見は、後藤田知事に答申され、6月上旬には知事の意見が事業者に提出される予定だ。

DATA

「(仮称) 徳島県美波町沖洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書」の公表及び縦覧について


取材・文/高橋健一

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 国は撤退ドミノを全力で食い止めよ。リスク回避できる魅力ある制度設計を
  2. 【洋上風力第3ラウンド】青森県日本海南側の法定協議会、風車設置のレイアウトと漁業影響調査の基本方針を公表
  3. 風力発電分野で資格取得者が急増!産業用ロープアクセスの国際資格「IRATA」とは?
  4. 【トップインタビュー】FLOWRA 欧州の浮体式先進国と連携して世界標準の技術開発を目指す
  5. 【参加受付中!】第5回WINDビジネスフォーラム 「風力発電の安全対策とサプライチェーン構築」
  6. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  7. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  8. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?
  9. 【ウィンド・パワー・トレーニングセンター】国内初、BSTの講義をeラーニングで、2026年春に提供開始へ
  10. 大規模蓄電の未来を変える 「CO2バッテリー」

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正