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洋上風力第2ラウンド ”秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖” 漁業影響調査「来年4月の開始を目指す」

洋上風力第2ラウンド「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」の漁業影響調査検討委員会の初会合が6月17日に開催された。漁業影響調査を来年4月に開始し、運転開始前後の最低6年間にわたって実施するスケジュール案が示された。

漁業影響調査の
スケジュール案を公表

秋田県男鹿市 潟上市 秋田市沖 漁業影響調査-min

漁業影響調査 関係漁業者の範囲(出典 秋田県)

「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」の漁業影響調査検討委員会は、選定事業者の男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy合同会社と秋田県が共同で設置した。検討委員会は、漁業関係者や自治体関係者などで構成する。関係漁業者は、海側が秋田県漁業協同組合、内水面は雄物川流域や馬場目川流域、八郎湖の合わせて14の漁業協働組合。6月17日の初会合では、発電事業者が事業計画の概要を説明したあと、漁業影響調査のスケジュール案を示した。

発電事業者は、今後、漁業関係者との個別協議や検討委員会での意見交換などを経て、来年4月に漁業影響調査の開始を目指す方針を明らかにした。そのうえで、建設前の2年間と、建設中の1年間、建設後の最低3年間にわたって調査を実施する意向を示した。発電事業者は、年内をめどに調査計画の承認を目指す。

ラウンド事業で最も早い
2028年6月の運転開始を目指す

特別目的会社の紹介(出典 男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy合同会社)

「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」は、JERA、電源開発、伊藤忠商事、東北電力の4社で構成する「男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy 合同会社」が選定事業者になっている。代表企業はJERA。

事業計画によると、発電設備は着床式。発電設備出は31.5万kW (1.5万kW×21基、Vestas製)。運転開始予定時期は、ラウンド事業のなかで最も早い2028年6月。対象海域は5315.3ha。供給価格は、ゼロプレミアムの3円/kWh。

伊藤忠商事が持つ
広範な販売網を活用

事業計画の概要(出典 男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy合同会社)

男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy 合同会社は、地域資源たる風・海の恩恵をもとに、県内企業と稼ぐ産業基盤を共創し、持続可能な地域社会を実現したいとしている。具体的には、事業主体の伊藤忠商事が持つ広範な販売網を活用し、県内企業と共同拡販を実施するほか、地魚や農産品などの県産品を県外・海外で販売する能力を持つ「秋田商人」をともに育むなど、秋田県がより稼ぐ世界の創出を目指す考えを明らかにしている。

「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖における協議会 漁業影響調査検討委員会(第1回)」の開催について


取材・文/高橋健一

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