ファイバーマックス、合成繊維製の浮体係留索で国内初のClass NKの認証を取得
2024/10/02
オランダのFibreMax(ファイバーマックス)は、合成繊維製の浮体係留索で国内初となるAiP認証(基本設計承認)を取得した。第14回国際風力発電展 WIND EXPOのアイルエンジニアリングのブースで、日本海事協会(Class NK)の松永常務理事が認証を授与した。
ClassNKのAiP認証を取得
WIND EXPOで授与式を開催
AiP認証の授与式 右から 日本海事協会 松永昌樹常務理事、ファイバーマックス サンダー・G・ファン・ヘルヴォルト氏、アイルエンジニアリング 玄馬淳社長、帝人アラミド事業本部日本営業統括 Dr.Monica Lopez Lorenzo,Msc.(2024年10月2日)
AiP認証とは、設計初期段階の製品に対して規則/ガイドライン類の観点に基づく技術的な「実現可能性」を確認するスキームであり、AiP認証を受けることで、実設計に向けた規則類の思想に基づく課題を洗い出すことができ、最終的な図面承認を取得するためにクリアすべき設計の要点を整理することが可能となる。合成繊維を使った洋上風力発電の浮体係留索でAiP認証を取得したのは、ファイバーマックスが初めてである。
AiP認証の授与式に先立って、ファイバーマックスの再エネ部門の責任者であるサンダー・G・ファン・ヘルヴォルト氏は、「この度、Class NKのAiP認証を取得できたことを何よりも嬉しく思います。当社は、日本のエネルギー転換に貢献するために全力を尽くしています。今回、AiP認証を取得したことで日本市場への参入をより強固に進める基盤を築くことができると確信しています。認証にあたって、Class NKの専門性の高さは非常に印象的でした。今後、具体的なプロジェクトにおいてもClass NKの更なるサポートに期待しています(FibreMax is very excited obtaining the Approval in Principle (A.i.P.) from Class NK, as FibreMax is very committed to contribute to the Japanese Energy Transition. With the A.i.P. from Class NK we can demonstrate a solid foundation which allows us to engage furthermore
and enter the Japanese market with our unique, and unpreceded technology where we have specific solutions for all Floating Wind Technologies. The level of professionalism from Class NK was very impressive and we’re already looking forward engaging furthermore with Class NK for the project specific certification.)」と述べた。
また、ファイバーマックスの日本総代理店であるアイルエンジニアリングの玄馬淳社長は、「まず、合成繊維製の浮体係留索として日本初となるAiP認証を取得できたことを大変嬉しく思います。この製品は、従来の繊維ロープを係留索として使用した際にデメリットとなる摩耗や伸長を、連続並行編みという独自製法によって克服しました。まさに、浮体式洋上風力のためにある商品と言えます。今後、日本で浮体式洋上風力の開発が進むにつれて、この製品が欠かせない存在になると確信しております」と力強く語った。
複数の自治体から工場誘致の打診
サプライチェーン構築にスピード感
AiP認証を取得したファイバーマックスの合成繊維製 浮体係留索、帝人のアラミド繊維を使用(出典 ファイバーマックス)
ファイバーマックスには、国内の複数の自治体から工場の誘致に関する打診があるという。サンダー氏は「大変光栄なことだと受け止めています。当社は、サプライチェーンの構築まで含めて、スピード感を持って対応したいと考えています。英国や米国ではすでに現地生産化の具体的な協議が始まっていますが、次のステップは日本だと考えています」と前を向く。
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取材・文:山下幸恵(office SOTO)