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浮体式開発が急加速! ウェールズ沖に業界関係者が大注目

英国・ウェールズ沖に業界関係者の熱い視線が注がれている。なかでも注目を集めているのが、浮体式の大規模プロジェクトが進む南西沖のケルト海だ。

メイン画像:2003年に運転開始したNorth Hoyle洋上風力発電所。(Crown Copyright)

 

<目次>
1.ウェールズ北部沖で大規模洋上風力事業を展開
2.南西沖のケルト海で最大20GWの浮体式開発

 

ウェールズ北部沖で
大規模洋上風力事業を展開

JMU

ジャパンマリンユナイテッドとAMRC Cymruが覚書を締結(写真提供 ウェールズ政府)

ウェールズと日本は、50年以上にわたって強固な経済関係を築いてきた。ケルト海の浮体式プロジェクトの事業者選定が今年度中に予定されており、関係者は日本企業の進出に期待を寄せている。英国の南西部にあるウェールズは、古くから海洋産業が盛んな地域だ。近年は、エネルギー分野の開発に大規模な投資を行っている。ウェールズ政府国際外務局長のRichard小泉氏は「英国は、洋上風力で世界最大の発電量を誇っています。そのなかでウェールズは、30年までに浮体式洋上風力から5GWを発電し、50年までにネットゼロを達成するという英国中央政府の目標を達成するため重要な役割を果たそうとしています」と力を込める。

ウェールズ北部沖には、大規模な着床式洋上風力発電設備が相次いで建設されている。03年に運転開始したNorth Hoyle洋上風力発電所は、英国で初めての大規模な洋上風力発電プロジェクトとして開発された。15年に運転開始したGwynty Môr風力発電所は、風車が160基で発電容量は576MW。国内外の46万7000世帯に電力を供給している。

 


 

南西沖のケルト海で
最大20GWの浮体式開発

ウェールズ南西沖のケルト海。(Crown Copyright)

ウェールズ南西沖のケルト海では、45年までに最大20GWの浮体式洋上風力発電設備の開発を目指している。早ければ年内に、最大1500MWの3つのプロジェクトが本格的に動き出す。ジャパンマリンユナイテッド(JMU)は昨年11月、南ウェールズに拠点を置く製造研究センター「AMRC Cymru」と、浮体式洋上風力発電の共同研究に関する覚書を締結した。日本から最先端技術を導入し、ケルト海の浮体式プロジェクトなどを推進する。

ウェールズ政府は、アングルシーとケルティックの2ヶ所にフリーポート(経済特区)を設置している。区域内では税制上の優遇措置を講じて、日本をはじめとする海外企業に、ケルト海の浮体式プロジェクトへの参画を呼びかけている。ウェールズ政府は、一般社団法人 再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP)や室蘭洋上風力関連事業推進協議会(MOPA)に加入し、日本の企業・団体との関わりを深めている。

国際外務局長のRichard小泉氏は「ウェールズの豊富な天然資源と日本の洋上風力発電の最先端技術を活用することで、開発コスト削減のみならず大規模な浮体式プロジェクトの展開を加速する強固なパートナーシップを築くことを目指しています」と話している。

 


 

問い合わせ

英国大使館
ウェールズ政府

東京都千代田区一番町1
駐日英国大使館
担当:上級外務担当官 岡田五郎
E-mail:Japan-enquiries@gov.wales


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WIND JOURNAL vol.8(2025年春号)より転載

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