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秋田市の風車ブレード落下、15年前にも落下事故 経産省が現地調査を開始

秋田市の風力発電設備でブレードが落下した事故で、5月3日から経済産業省関東東北産業保安監督部の職員が現地調査を開始した。この風力発電所では、15年前にもブレードが落下する事故が発生している。

秋田市新屋町の風力発電設備(5月3日撮影)

2009年に運転開始
その翌年にもブレードが落下

ブレード破損

風車ブレードが付け根部分から落下(5月3日撮影)

5月2日午前、秋田市新屋町の海岸近くに設置されている風力発電設備からブレード1枚が落下し、その近くで倒れていた81歳の男性が死亡した。ブレードは付け根の部分が折れて、数十メートル離れた休憩所付近に落下し、その近くで男性が頭にけがをして倒れていたという。5月2日は秋田市に強風注意報が発表され、台風並みの強い風が吹いていた。秋田地方気象台によると、2日午前7時52分に秋田市で23.0メートルの最大瞬間風速が観測されている。

風力発電設備は、さくら風力(本社:東京)が設置し、2009年に運転を開始した。発電出力は1990kW。風車はドイツのメーカーが製造した。この風力発電所では、運転開始の翌年の10年にもブレードが落下する事故が発生している。10年の事故は落雷が原因とみられていて、そのときはけがをした人はいなかった。

ブレード落下

風力発電設備は海浜公園の近くに設置されている(5月3日撮影)

事態を重くみた経済産業省は5月3日、関東東北産業保安監督部の職員を現地に派遣し、調査を開始した。現地調査にはさくら電力の社員が立ち会い、ブレードの破損の状況などを詳細に確認した。警察では現場検証を行って、ブレードの落下と男性の死亡との関連を調べている。

現地を取材した3日午前は、現場近くの多くの風力発電所が運転を休止していた。亡くなった男性の御冥福を祈るとともに、事故原因の早期の解明を願っている。


取材・文/ウインドジャーナル編集部

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