【中部電力パワーグリッド】風力発電の受変電コンサルを展開!長期安定運用をサポート
2026/03/26
中部電力パワーグリッドは2024年から受変電コンサルティングサービス「&Conote(アンドコノテ)」を展開している。風力発電事業における送変電設備の重要性・コンサルティング活用の有用性と今後の展望について探った。
メイン画像:「&Conote」の解析調査の様子。(写真提供:中部電力パワーグリッド)
送変電設備のトラブルで
長期間の運用停止のおそれ
送変電設備は、風力発電業界ではあまり注目されない存在だが、実は非常に重要な役割がある。送変電設備にトラブルが発生すると、風車本体に問題がなくても長期間の運用停止を余儀なくされるケースもあるからだ。
送変電設備は、更新時期の判断が難しい設備だ。メーカーが推奨する更新時期は、送変電設備に定格の負荷が常時かかる使用状況を想定している。送変電設備の状態は、設置する場所や風車の出力などによって違うため、メーカー推奨の年数が経過したら直ちに更新すべきとは言い切れない。

風力発電所にはさまざまな受変電設備が存在する。(写真提供:ユーラスエナジーホールディングス)

風力発電所内の受変電設備のガス絶縁開閉装置の一部。(写真提供:ユーラスエナジーホールディングス)
国内では、2000年以降に陸上風力発電所の建設が活発化したが、現在、その多くが買取期間の満了や風車寿命を迎え、風車を更新すべきか、継続して使用するべきかを判断する時期を迎えている。しかし、発電には欠かせない送変電設備の更新判断については、評価に必要となる専門化・高度化した知見やデータの共有・体系化が十分に進んではいない。そのため、風車更新に伴い送変電設備を含む発電設備全体を「取り替えることが当然」とみなされがちであり、設備流用の検討自体がされないことも多い。また、送変電設備の保安監督を担う電気主任技術者の人手不足も重なり、適切な更新・継続使用の判断を行うことが一層難しくなっている。
また、開閉器、変圧器、送電線などの設備で構成される送変電設備をトータルで考え、全体として最適な更新計画を立てることも、コストを抑える上で重要である。昨今は機器・資材の納期が長期化しているだけでなく、大幅なコストアップも生じている。そのため運用再開までに想定外の時間を要するなど、復旧費用や売電収入の減失が保険の支払限度額を超過することで、多額の自己負担が発生するリスクがある。

「&Conote」における調査風景。(写真提供:中部電力パワーグリッド)
送変電設備の設備投資コスト削減と
リスクへの備えを両立

「&Conote」のサービス提供のステップ(提供:中部電力パワーグリッド)
中部電力パワーグリッドは、24年度から事業者の受変電設備に関する課題を解決するサービス「&Conote(アンドコノテ)」を展開している。送変電設備のコンサルティングをはじめ、ドローンを使った点検、IoTを用いたセンシングによる状態監視など、多岐にわたるアセットマネジメントサービスだ。これまでに、製造業や鉄道など100件以上の事業者にサービスを提供している。中部電力パワーグリッドが長年にわたって、自社の多くの送変電設備を保守・運用してきたことから、事業者からは「メーカー目線ではなく、ユーザー目線の生きた知見やノウハウを基にサポートを受けられる」と高く評価されている。
中部電力パワーグリッドが目指しているのは、送変電設備の設備投資の削減、リスクへの備えを両立させる技術サポートだ。具体的には、事業者の課題・設備の状態を踏まえた技術的知見からの事業改善・投資修正を提案するなどして、設備投資全体の合理化を図る。また、点検・保守を行いやすい設備への更新など、提案を通じて、費用面のみならず、日々の電気保守管理の省力化も見据えたサービス提供を行っている。さらに、ドローンやIOTセンシングといった先端技術を活用したリスクの洗い出しにも力を入れる。単発のサポートだけでなく、長期スパンの全体最適化を図っていく、まさに“攻め”のアセットマネジメントだ。
昨今は本格的に風力発電業界にもフォーカスし、リプレースに伴う送変電設備の更新計画やケーブル保守対策にも取り組んできた。25年度は、風力発電の大手事業者であるユーラスエナジーホールディングスの東北地方の風力発電所において、送変電設備の更新計画コンサルティングを実施した。リプレース期間を考慮して、機器の流用判定を行ったことで、リプレース費用の削減はもちろん、設備の信頼度の裏付けとしても、「&Conote」の活用が多いに期待されている。風力発電所の担当者からは、「中部電力パワーグリッドが保有する膨大な電力機器の運用実績に基づき、既設設備の期待寿命を推定いただいたことで、リプレース時の流用判断に蓋然性を持たせることができ、リプレースプロジェクトのコスト削減につながった。さらに、風力発電所をリプレースしたあと、次回更新までの期間において、流用機器が期待寿命を全うできる保守方法についてもご提案いただき、今後の保守方針の検討に大いに参考になった」といった感想が寄せられている。
送変電設備の
長期安定運用をサポート
中部電力パワーグリッド・エンジニアリングセンター所長の樋口達也氏は、風力発電事業者への提案を強化するにあたって、「風力発電事業において、送変電設備の故障・停止時のリスクは必ずしも十分に認知されていません。もし、故障が発生した場合、事業収支にも甚大な影響を及ぼします。送配電事業によって長年培ってきた技術と知見を生かし、送変電設備の故障リスクの低減と設備投資の最適化を通じて、事業者のみなさまが安心して発電事業を推進できる環境づくりに貢献していきたいと考えています」と意気込む。
さらに、送変電設備をめぐる今後の展望については、「事業採算性を確保するため風力発電設備の長期運用が求められるなか、送変電設備を適切に運用することの重要性は、より一層高まっていくと考えています。風力発電事業を安定して継続するためには、設備の故障リスクを正しく把握し、故障時の対応や保守方法について随時見直ししていくことが、事業運営において不可欠です。当社は一般送配電事業者としての専門性を発揮し、こうした意思決定を力強く後押ししていきたいと考えています」と話している。
プロフィール
中部電力パワーグリッド株式会社
エンジニアリングセンター所長
樋口達也氏

問い合わせ

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エンジニアリングセンター コンサルティンググループ
〒456-0022
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TEL:050-7771-2829
MAIL:Souhenden.Gijutsu-support@chuden.co.jp
取材・文/山下幸恵(office SOTO)
WIND JOURNAL vol.10(2026年春号)より転載
Sponsored by 中部電力パワーグリッド株式会社








