注目キーワード

English 日本語

海外トレンド

米国初、カリフォルニア沖での洋上風力リース権の入札を実施。発電規模は4.6GW

米政府が主導する洋上風力発電事業に関心が集まる。12月、カリフォルニア沖における4.6GWの洋上風力発電リース権の入札が実施された。これによって、バイデン政権の掲げる洋上風力発電の目標30GWにまた一歩近づいたことになる。

西海岸で初めての洋上風力入札
入札総額は7.5億ドルに

米内務省は12月7日、カリフォルニア州沖における洋上風力発電事業のリース権の入札結果を発表した。米国は2022年に洋上風力発電事業リース権の入札を2回行ったが、西海岸地域における入札は今回が初めてだ。

今回の入札は、カリフォルニア州沖合の5つの区画を対象に実施された。発電容量は合計4.6GWで、約150万世帯で使用する電気をまかなうことができる。参加する事業者は、1回の入札につき1区画しか落札できないように制限されており、全5区画のうち、3区画を欧州の事業者が落札した。各区画の入札額は1億3,000万〜1億7,380万ドルで、合計7億5,710万ドルにのぼった。


(カリフォルニア州沖の洋上風力発電事業リース権の落札結果。出典:米内務省 海洋エネルギー管理局(BOEM))

2030年までに30GWの目標
3分の1超を2022年の入札で達成

バイデン政権では、洋上風力発電を2030年までに30GWに拡大するという目標を掲げている。2022年2月には、東海岸のニューヨーク州とニュージャージー州における洋上風力発電事業リース権の入札を実施した。米政府だけでなく、ニューヨーク州は2035年までに9GW、ニュージャージー州も同年までに7.5GWの洋上風力発電設備を稼働させることを目指している。

このときは6区域の入札で発電容量は合計5.6GW、入札総額は43億7,000万ドルと過去最高額を更新した。このうちの1区画、約3GWを洋上風力世界大手であるドイツのRWEが約11億ドルで落札した。

2022年に行われた洋上風力発電事業リース権の入札で、発電容量の合計は11GWを超えた。これによって、米政府の2030年までの目標値30GWの3分の1が達成されたことになる。洋上風力発電事業の活発な欧州を追いかけるように、米国でも洋上風力に関する取り組みが加速している。

DATA

Biden-Harris Administration Announces Winners of California Offshore Wind Energy Auction | U.S. Department of the Interior


文:山下幸恵(office SOTO)

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 【洋上風力第1ラウンド】「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」、「由利本荘市沖」法定協議会 地元港湾の積極的な活用を要望
  2. 【洋上風力】千葉県九十九里沖、12月15日に第1回法定協議会 事業化に向けて動き出す
  3. 【参加受付中!】第5回WINDビジネスフォーラム 「風力発電の安全対策とサプライチェーン構築」
  4. 【洋上風力の事業環境整備】事業実現性の適切な評価とサプライチェーン形成の定義の明確化を要望
  5. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  6. 【洋上風力第1ラウンド】年明け以降に再公募を実施へ 応札価格に下限と上限を設定
  7. 【洋上風力第1ラウンド】3海域の再公募手続きが動き出す、情報提供の申請受け付け開始
  8. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  9. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?
  10. 【洋上風力】事業環境整備の見直し案を公表 第2・第3ラウンド事業者に長期脱炭素電源オークションへの参加容認

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正