米国初、カリフォルニア沖での洋上風力リース権の入札を実施。発電規模は4.6GW
2022/12/28
米政府が主導する洋上風力発電事業に関心が集まる。12月、カリフォルニア沖における4.6GWの洋上風力発電リース権の入札が実施された。これによって、バイデン政権の掲げる洋上風力発電の目標30GWにまた一歩近づいたことになる。
西海岸で初めての洋上風力入札
入札総額は7.5億ドルに
米内務省は12月7日、カリフォルニア州沖における洋上風力発電事業のリース権の入札結果を発表した。米国は2022年に洋上風力発電事業リース権の入札を2回行ったが、西海岸地域における入札は今回が初めてだ。
今回の入札は、カリフォルニア州沖合の5つの区画を対象に実施された。発電容量は合計4.6GWで、約150万世帯で使用する電気をまかなうことができる。参加する事業者は、1回の入札につき1区画しか落札できないように制限されており、全5区画のうち、3区画を欧州の事業者が落札した。各区画の入札額は1億3,000万〜1億7,380万ドルで、合計7億5,710万ドルにのぼった。
(カリフォルニア州沖の洋上風力発電事業リース権の落札結果。出典:米内務省 海洋エネルギー管理局(BOEM))
2030年までに30GWの目標
3分の1超を2022年の入札で達成
バイデン政権では、洋上風力発電を2030年までに30GWに拡大するという目標を掲げている。2022年2月には、東海岸のニューヨーク州とニュージャージー州における洋上風力発電事業リース権の入札を実施した。米政府だけでなく、ニューヨーク州は2035年までに9GW、ニュージャージー州も同年までに7.5GWの洋上風力発電設備を稼働させることを目指している。
このときは6区域の入札で発電容量は合計5.6GW、入札総額は43億7,000万ドルと過去最高額を更新した。このうちの1区画、約3GWを洋上風力世界大手であるドイツのRWEが約11億ドルで落札した。
2022年に行われた洋上風力発電事業リース権の入札で、発電容量の合計は11GWを超えた。これによって、米政府の2030年までの目標値30GWの3分の1が達成されたことになる。洋上風力発電事業の活発な欧州を追いかけるように、米国でも洋上風力に関する取り組みが加速している。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)