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商船三井 台湾洋上風力向けSOVを建造

商船三井と台湾の大統海運は11月22日、両社の合弁会社「大三商航運股份有限公司(TSSM)」を通じ、オランダのダーメングループと新造SOV(Service Operation Vessel)造船契約を締結したと発表した。2025年末の竣工を目指す。

(アイキャッチ画像 新造SOVのイメージ 出典:商船三井)

台湾の洋上風力の
作業支援に投入

造船契約の締結式(出典 商船三井)

SOVは洋上風力発電所のメンテナンス技術者を、複数の洋上風車へ派遣することを目的としたオフショア支援船をいう。今回の新造SOVは、TSSMとしては2隻目。2025年末の竣工後、台湾の洋上風力発電所の作業支援に投入される。TSSMとして1隻目となる、2022年3月竣工のSOV「TSS PIONEER」で培った経験を活かすことで、発電事業者や風車メーカーなどに対して洋上での快適な宿泊設備を提供すると説明している。

アジア地域での
SOV事業展開の布石に

造船契約の締結式には、商船三井の鍬田博文専務、 TSSMの林宏年董事長、ダーメン社のアーナウトダーメンCEOが出席した。商船三井の杉山正幸執行役員は、「TSS PIONEERに加え、今回の新造SOVの操業を通じてTSSM社の台湾におけるSOVプレイヤーとしての地位を確固たるものにすることに加え、日本を含むアジア地域での商船三井のSOV事業展開の布石としたいと考えています」と述べた。

TSSMの林董事長は「TSS PIONEERでの操業経験を踏まえたうえで、グリーンエネルギー分野への貢献をさらに深めたいとしつつ、今回の新造船でも我々が最重視する安全で快適な環境を風車技師・船員に提供し、台湾、さらにはアジア太平洋地域での洋上風力事業の伸展に貢献したい」と話した。ダーメンCEOは「今回の新造船は台湾における洋上風力事業の進展に貢献すると確信しています。今後もMOL・TSSMと協業できるのを楽しみに思っています」と笑顔をみせた。

台湾 2030年の目標
再エネ比率を30%に

2022年3月に竣工した「TSS PIONEER」(出典 商船三井)

原子力発電から再生可能エネルギーへの転換を進める台湾では、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を、2025年に20%、2030年に30%とする目標を掲げている。その中でも洋上風力発電は、地理的な要因から台湾の新たなエネルギー源として期待が高く、2020年から25年までの間に計5.6GWの洋上風力発電所系統接続を許可し、2026年から2035年までに追加で15GWの洋上風力発電事業を目指している。

DATA

台湾洋上風力発電所向けSOV造船契約の締結


取材・文/小林英介

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