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浮体式施工で研究組合を設立 五洋建設など10社が参画

浮体式洋上風力発電の大量導入に向けて、新たな建設システムの確立を目指す「浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)」が国土交通省の認可を受け、1月20日に発足した。

<目次>
1.国土交通大臣が認可書を交付
2.3つのワーキンググループで研究開発を目指す


国土交通大臣が
認可書を交付

浮体式洋上風力建設システム技術研究組合の体制(出典 FLOWCON)
浮体式洋上風力建設システム技術研究組合の体制(出典 FLOWCON)

浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)は、五洋建設、東亜建設工業、東洋建設、日鉄エンジニアリング、若築建設、IHI運搬機械、住友重機械工業の7社が設立した。賛助会員としてカナデビア、JFEエンジリアリング、ジャパンマリンユナイテッドの3社が参画する。五洋建設取締役兼専務執行役員の野口哲史氏が理事長を務める。国交省は1月20日付けで設立認可し、同日に中野洋昌大臣が認可書を交付した。

政府は、洋上風力発電を再生可能エネルギーの主力電源化の切り札と位置づけ、2040年までに30GW~45GWの案件を形成することを目標としている。一方、浮体式洋上風力発電については、大量導入やコスト低減の実現に向けて、海上施工全体の最適化を図ることが課題となっている。FLOWCONは、浮体式洋上風力発電の大量導入に向けた合理的な建設システムの確立を図るため、①大量急速施工の実現、②合理的な建設コストの実現を目的としている。海洋工事の実績がある建設会社や、海洋鋼構造物の設計・製作・施工に実績のあるエンジニアリング企業、大型クレーンなどの楊重機械メーカー、鋼製浮体の設計・製作に実績のある企業が構成員となっている。


 

3つのワーキンググループで
研究開発を目指す

研究内容のイメージ(出典 FLOWCON)
研究内容のイメージ(出典 FLOWCON)

今後は、①浮体式洋上風力発電の合理的な建設システムに関する研究 、②海上作業基地に必要な技術開発、③海上施工に関わる気象海象予測システムの開発の3つのワーキンググループで研究開発を進める。FLOWCONは、「事業者が設立した浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)とも密に連携を取りながら、日本の浮体式洋上風力発電の発展に貢献していきたい。浮体式は着床式よりもコストがかかるのが大きな課題となっているので、合理的な建設コストの実現を目指していきたい」と話している。

DATA

浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)の認可について


取材・文/高橋健一

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