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【神鋼鋼線工業】浮体係留索として日本海事協会から設計承認を取得!あらゆる係留方法に対応できる製品づくりを目指す

神戸製鋼グループの神鋼鋼線工業は、「高耐食型セミパラレルワイヤケーブル」を開発し、浮体係留索として日本海事協会の設計承認を取得した。浮体式のあらゆる係留方法に対応できる製品づくりを目指す考えだ。

メイン画像:日本海事協会の設計承認の手交式(写真提供 神鋼鋼線工業)

 

<目次>
1.あらゆる係留方式で設計が可能 高い耐食性能を実現
2.インフラを支える技術を活かし洋上風力発電産業の発展に貢献

 

あらゆる係留方式で設計が可能
高い耐食性能を実現


高耐食型SPWC®の概要図(提供 神鋼鋼線工業))

神鋼鋼線工業は今年2月、「高耐食型セミパラレルワイヤケーブルSPWC®︎(高耐食型SPWC®︎)」で日本海事協会の設計承認(APPROVAL of Product Design)を取得した。今回神鋼鋼線工業が取得した設計承認は、浮体式洋上風力発電設備の艤装(ぎそう)品のための承認スキームの一環で、「高耐食型SPWC®︎」が当該スキームでの承認第1号だ。これによって、「高耐食型SPWC®」を洋上風力発電の浮体係留索として設計できるようになり、浮体係留索の素材の選択肢が広がった。

浮体を係留する方法には、カテナリー係留やトート係留、TLP係留(緊張係留)などがあるが、「高耐食型SPWC®︎」は、あらゆる係留方法で設計の検討が可能だという。

 


高耐食型SPWC®の概要図(提供 神鋼鋼線工業))

 

神戸製鋼グループの神鋼鋼線工業は、大型の橋梁や建築物を支えるケーブルのメーカーだ。日本で一番長い吊り橋の明石海峡大橋にも採用されている。そうした技術を活かして開発した「高耐食型SPWC®︎」は、海中で20年以上にわたってメンテナンスフリーでの使用に耐えることを想定している。海中での高い耐食性を実現するために、亜鉛めっきを施した鋼線の周囲に、さらに亜鉛線を配し、分厚いポリエチレンで被覆している。これによって、万が一、使用中にポリエチレンが損傷して海水が流入したとしても、亜鉛線の電気防食作用によって鋼線の腐食を防ぐという。

また、「高耐食型SPWC®」を構成する亜鉛めっき鋼線は平行に束ねられ、わずかな より が施される。これにより、高い強度・剛性を発揮しながら、巻き取りを可能とするなどの取り扱い性をあわせ持つ。加えて一般的なロープに必要なプレテンションの工程が不要となるメリットがある。

 


 

インフラを支える技術を活かし
洋上風力発電産業の発展に貢献


「高耐食型SPWC®︎」のケーブルの外観(写真提供 神鋼鋼線工業)

神鋼鋼線工業の代表取締役 専務執行役員の森啓之氏は、「当社は、70年以上にわたって橋梁をはじめとするインフラ分野にさまざまな製品やエンジニアリングを提供してきました。そうして培った技術を「高耐食型SPWC®」などの製品として昇華させ、浮体式洋上風力発電の進化の一翼を担っていきたいと思います」と強調する。

同社は、コンクリート製浮体構造物向けのPC鋼材、港湾や作業船で使用されるワイヤロープ製品なども取り扱っている。「当社は、長期的な企業価値の向上を目指してサステナビリティ経営に取り組んでおり、洋上風力発電分野は経営上の重要事項の1つです。洋上風力発電は今後、より水深が深い沖合に出て大型化すると予想されています。当社は、新たな製品開発を通じて、洋上風力発電産業の発展と持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています」と森氏は力を込める。

 


 

PROFILE

神鋼鋼線工業
代表取締役専務執行役員
森 啓之氏

DATA

神鋼鋼線工業株式会社
〒660-0091
兵庫県尼崎市中浜町10番地1
TEL(06)6411-1051(代)
FAX(06)6411-1056


取材・文/山下幸恵(office SOTO)

WIND JOURNAL vol.9(2025年秋号)より転載

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