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政策・制度

【洋上風力の事業環境整備】新たな公募制度の方向性をとりまとめ 年明け以降に 再公募を実施へ

洋上風力ラウンド事業のあり方について議論する国の合同会議が12月17日に開かれ、事業環境整備と新たな公募制度の方向性をとりまとめた。国は今後、新たな公募制度の指針を策定し、年明け以降に第1ラウンド3海域の再公募を実施する方針だ。

メイン画像:洋上風力第2ラウンド「長崎県西海市江島沖」

<目次>
1.事業環境整備と 新たな公募制度の具体策を議論
2.下限価格以下の 評価を満点に
3.基地港湾の柔軟な利⽤ 原状回復義務を緩和
4.新たな公募制度の指針を策定し 年明け以降に第ラウンドの再公募へ

 

事業環境整備と
新たな公募制度の具体策を議論

12月17日の合同会議では、これまでの議論を踏まえて、事業環境整備と新たな公募制度の方向性が示された。前回の合同会議では、業界団体から意見聴取し、事業実現性の適切な評価と、サプライチェーン形成の定義の明確化を求める要望が出されていた。

事業環境整備の具体策としては、(1)第2・第3ラウンド事業者のみを対象に「長期脱炭素電源オークションへの参加」、「価格調整スキームの公募開始時点までの遡及適用」、「公募占用計画変更に係る柔軟な対応」、(2)基地港湾の柔軟な利用を促進する仕組みの構築、(3)一定要件下における海域占用許可の更新の原則化、(4)再エネ価値が適切に評価されるための環境整備、(5)脱炭素電源に係る投資を促進するための支援を認める内容だ。

新たな公募制度

事業実現性評価点の配点(出典 経済産業省)

新たな公募制度の具体策は、(1)事業実現性評価点の配点の見直し、(2)より精緻な事業実現性の採点、(3)迅速性の配点の引き下げとスケジュールの柔軟性の確保、(4)適切な供給価格での入札がされるための価格点の設計、(5)落札制限の適用、(6)選定事業者が撤退した際のルール設定の6点。

 

 

下限価格以下の
評価を満点に


適切な供給価格での入札がされる価格点の設計(出典 経済産業省)

12月17日の合同会議では、11月19日に公表した見直し案からの修正点が報告された。価格点の評価基準のひとつとして示された「下限価格」について、「下限」以下の価格を提案した事業者を失格ではなく「満点」とする考えを明らかにした。国は事業者公募の際に「下限価格」を事前に公表する方針だ。

長期脱炭素電源オークションへの参加については、12月12日の次世代電⼒・ガス事業基盤構築⼩委員会 制度検討作業部会で、「第2・第3ラウンドのうち、ゼロプレミアム案件に限ってはバランシングコスト相当分のFIP交付金を放棄することを前提として長期脱炭素電源オークションへの参加を認めたらどうか」、「次回以降の公募の予見性の観点から、今回の措置は黎明期にある第2・第3ラウンド事業のみに適用することとし、次回以降の公募については長期脱炭素電源オークションへの参加を想定しないこととすべき」などとして、参加に同意する意見が出された。

地耐⼒強化などで
原状回復義務を緩和へ


基地港湾として整備された能代港(秋田県能代市)

基地港湾の柔軟な利⽤を促進する仕組みの構築については、地耐⼒強化のための改良⼯事などのように原状回復を要しないと港湾管理者が認めた場合は、原状回復義務の緩和を図ることとした。

出席した委員からは、「制度の見直しを進めるなかで、業界団体の要望を取り入れている点を評価したい」、「上限価格を上回る提案をした事業者を失格とする点について、適切にリスクを見積もった事業者が失格になるのはどうなのか」、「事業実現性の分野において新技術の導入を評価すべきではないか」などの意見が出された。

新たな公募制度の指針を策定し
年明け以降に第ラウンドの再公募へ


洋上風力第1ラウンド「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」

12月17日の合同会議では、冒頭に洋上風力第1ラウンド公募事業の撤退要因などの分析について議論したが、個別事業者の競争上の地位や正当な利益を害するおそれがあるとして、この部分を非公開とした。

洋上⾵⼒促進⼩委員会の委員⻑で東京⼤学⼤学院⼯学系研究科教授の加藤浩徳氏は、「第1ラウンド公募事業の撤退要因に関する報告書について非公開で議論しましたが、取りまとめの方向性についておおむね賛同が得られたことを報告します。また、事業環境整備と新たな公募制度の見直しについても賛同が得られたと理解しています。基地港湾については、委員からたくさんの意見が出されました。日本の港湾整備は地方自治体が中心になって行われているのが特徴ですが、その一方で国の政策目標との整合性を確認しながら進めていく仕組みになっています。今後も国と地元の関係者の方々が協力をしながら良い方向に向かっていくよう関係者のご努力に期待したいと思います。2025年は第1ラウンドの撤退もあり、洋上風力発電にとっては正念場といえる年だったかもしれません。わたくしも手さぐりで公募制度の見直しを進めていくことの難しさを感じておりましたが、小委員会の議論のなかでも洋上風力発電のニーズが依然として強いことがあらためて確認されています。小委員会では黎明期にある洋上風力発電において、国内サプライチェーンの整備に向けた制度や評価方法の見直しを進めてきました。来年以降、わが国の洋上風力発電事業を確実に完遂してエネルギーの安定供給と脱炭素に貢献することを期待しています」と述べ、これまでの議論を総括した。

12月17日の合同会議では、事業環境整備と新たな公募制度の方向性について了承され、今後の対応を洋上風力促進ワーキンググループ座長の山内弘隆氏と洋上⾵⼒促進⼩委員会の委員⻑の加藤氏の2人に一任することを決めた。

事業環境整備と新たな公募制度の方向性が決まったことを受けて、長期脱炭素電源オークションへの参加と上限価格の詳細については専門の審議会で議論する。経済産業省と国土交通省は今後、新たな公募制度の指針の策定を進めて、年明け以降に第1ラウンド3海域の再公募を実施する方針だ。

DATA

交通政策審議会港湾分科会環境部会洋上風力促進小委員会 合同会議(第41回)

取材・文/ウインドジャーナル編集部

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