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「浮体式」大規模ウインドファームの早期実現を目指す【東京電力HD】

東京電力ホールディングスの再生可能エネルギー専業会社として2020年4月に分社化して誕生した東京電力リニューアブルパワー。国内水力事業に、新たな電源多様化を加えた四つを事業の柱として、30年代前半までに国内外で新規電源開発と1000億円の利益創出を目指す。同社風力部の池ノ内岳彦部長代理に聞いた。

メイン画像:テトラ・スパー型実証プロジェクト

国内外での新規電源開発と
1000億円の利益創出

――主要事業は。
当社は「再エネ電気を増やす」ために主力事業として、4本の柱を掲げています。第一が国内の水力事業です。この水力事業は当社事業の太宗を占めており、発電ロスの削減やリパワリングによる事業価値向上を推進していきます。二番目が海外水力事業です。国内水力事業で培った技術を生かし、海外での開発案件を積み上げていきます。参画した海外での発電所でバリューアップを図ることで、収益を上げていきます。

三番目が国内外の洋上風力事業です。これは当社の新たな柱として取り組んでいきます。大規模な着床式ウインドファームを早期実現し、開発規模を拡大するとともに、将来的には浮体式も拡大させていきたいと考えています。四番目が地熱事業などの電源多様化です。現在、地熱発電の新規開発に向けて取り組んでいるところであり、次なる柱として育てていきます。

――風力事業での強みは。
2009年に銚子沖で着床式洋上風力発電の実証研究に着手し、13年から実証機の運転を開始して、技術・知見を蓄積してきました。また、これまで電気事業者として、長きにわたって発電所の建設、運営など電気事業に係る技術と経験を積んできています。今後も得られた技術・知見に基づき、洋上風力事業を拡大・展開していきたいと考えています。


銚子市沖の洋上風力発電所

――洋上風力の展望は。
われわれが取り組んでいるのが、浮体式技術の早期確立です。再エネ海域利用法に基づく国内公募案件のうち第1期、第2期は基本的に着床式が多い状況ですが、30年以降は、浮体式の洋上風力が主力になっていくとみています。20年代からの浮体式洋上風力発電所の開発、30年代の主力化を目指し、事業性の良い開発地点と競争力を確保するため、複数の浮体技術を保有し、地点に応じて使い分けていくことで、競争力のある浮体式洋上風力の普及を考えています。

現在、当社が取り組んでいるのが「スパー型」と「テトラ・スパー型」です。スパー型は形状がシンプルで鋼材量が少なく、設計、製造コストの低減が期待でき、テトラ・スパー型は「産業化」を念頭に置いて設計開発され、国内での製造や組立などの低コスト化が期待できます。


©TEPCO Renewable Power, Inc. All Rights Reserved.  Stiesdal Offshore Technologies A/S 提供

――「洋上風力産業ビジョン」が初めて示した数値目標の実現可能性は。
洋上風力産業ビジョンの中で、将来の導入目標が提示されたことは非常に有意義だと考えています。30年までに10GW、毎年1GW相当というチャレンジングな目標ではあるものの、実現不可能な数字ではないと思っています。

PROFILE

東京電力リニューアブルパワー株式会社
風力部部長代理
プロジェクト推進センター所長兼風力部(カイゼン担当)

池ノ内岳彦氏

1992年4月に東京電力に入社。本店の技術統括部兼プロジェクト企画推進グループマネージャー、東電HD技術・環境戦略ユニット技術統括室(技術戦略担当)兼 経営技術戦略研究所研究総括室オープンイノベーション推進グループマネージャー、経営企画ユニット企画室次長などを経て、20年4月から現職。


取材・文:山村敬一

WIND JOURNAL vol.1(2021年秋号)より転載

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