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成功の鍵を握るプロジェクトマネジメント、総合エンジニアリングの「日揮」に強み

総合エンジニアリング企業として90年以上の歴史を誇る日揮が、洋上風力発電においても存在感を高めている。同社の強みはどこにあるのか、そしていま目指していることとは──ウィンドパワープロジェクト事業部を訪ねた。

メイン画像:卓越したプロジェクトマネジメント力で洋上風力発電プロジェクトを遂行。

フローティングLNGなど、
浮体プラント実績を活かして

日本における浮体式洋上風力発電の礎となった「福島浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」がその役割を終え、2021年に全風車の撤去が完了した。日揮は、2020年から21年にかけて、そこでの撤去作業を担うなど、洋上風力発電のライフサイクル全体を見据えた様々な取り組みを進めている。

そもそも日揮と洋上とのつながりは、どこにあったのか。現在、どんな形で風力発電に関わっているのか。ウィンドパワープロジェクト事業部長の勝岡洋一氏は、こう述べる。

「当社は、90年以上の長きにわたって、オイル&ガス関連のEPC(設計・調達・建設)を中心に成長してきた会社です。プロジェクト遂行実績は80ヶ国20,000件超に上り、LNG(液化天然ガス)のプラント建設においては世界でもトップクラスに位置しています。各種海上プラントも数多く手掛けており、海とのつながりは以前から深かったといえるでしょう。海の上にプラントを浮かべて、洋上で採掘・液化・出荷を行う、いわゆるフローティングLNG(浮体式洋上天然ガス液化設備)にも早くから着目し、いまでは世界のフローティングLNGの3/4に関与しています。


フローティングLNGのノウハウは洋上風力発電にも活かされる。

再生可能エネルギーに関しては、FIT(固定価格買取制度)が始まった2012年から、まずは太陽光に取り組みはじめました。発電所の建設やO&Mだけでなく、発電事業にも参画するなど、様々な事業フェーズで経験を重ねてきました。国内で培った知見をベースに海外の太陽光発電所建設プロジェクトにも加わり、ベトナムにおいては同国の一般家庭約13万世帯分の年間使用電力量を賄うだけの発電所を手掛けました。

風力発電については、5年ほど前に、ある発電事業者さんからお声掛けをいただき、事業性検討に携わらせていただきました。そこから他の風力発電プロジェクトへのアプローチが始まり、2018年には社長直轄の部門としてウィンドパワープロジェクト室が立ち上がりました。グループ内の海外オフィスとも連携し、他国の風力発電プロジェクトの入札に参加するなど、国内外でノウハウを蓄積してきました。組織改編に伴い、現在はウィンドパワープロジェクト事業部となり、洋上を中心に大規模風力発電案件への幅広い取り組みを進めています」。

さらに勝岡氏は、洋上風力発電のなかでも、とくに浮体式に力を入れていきたいとして、その理由を次のように話す。

「浮体式と着床式いずれにも関わっていきますが、将来的には浮体式の方に、当社の経験をより活かせる領域が広がっていくと考えています。先ほど申し上げたフローティングLNGもそうですが、海の上の浮体構造物の挙動には、共通項が少なくないからです。そこは正に我々が精通しているところですから、これからの浮体式洋上風力発電にも役立てていきたいと思っています」。

海外での豊富な経験が、
国内の洋上風力発電案件を支える

洋上風力発電プロジェクトにおいて、日揮はどんな役割を果たそうとしているのか。同社の強みは、どこにあるのか。勝岡氏は、その答えとして“プロジェクトマネジメント”“海外に強い”ということに焦点を当てる。

我々の強みは、総合エンジニアリグ企業として培ってきた“プロジェクトマネジメント”にあります。プラントは、数多くの異なった要素や機能で構成される複雑なシステム総合体であり、経済性に優れるだけでなく、信頼性、安全性が保証され、しかも運転・保守が容易であることや周辺環境への配慮も必要とされます。建設にあたっては、膨大な機器・資材、多国籍のマンパワーリソースをグローバル規模で調達し、スケジュール通りに工事を完了しなければなりません。高度なエンジニアリング技術と高いプロジェクトマネジメント能力がなければ、顧客の要求を満たすプラントを実現することはできないのです。


全体最適の視点に立ち、全工程を一括管理。

多くのプラントにおいて、設計から機材調達、建設、オペレーション、メンテナンスにいたる全フェーズにわたって、総合的なプロジェクトマネジメントを実施してきたのです。こうしたフェーズは洋上風力発電プロジェクトにおいても同様であり、この総合的なプロジェクトマネジメントこそ、洋上風力発電の世界で求められる当社の役割だと考えています。

また、洋上風力発電プロジェクトは、日本国内にあっても非常にグローバルなものです。日本はまだ洋上風力発電の歴史が浅いため、実績ある海外のコンストラクターや事業者との協業が欠かせません。海外のプレーヤーと一緒になってプロジェクトを進めていかなければならないのです。そこで活きてくるのが、多国籍チームを率いてプロジェクトを成功させてきた海外での実績です。これまで実施してきた当社プロジェクトの海外比率は、じつに70%に達しています。この“海外に強い”というところも、洋上風力発電プロジェクトを進める上でポイントになる特長だろうと思っています」。


90年余にわたり、世界各国で巨大プラントを数多く建設。

 

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