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ベスタス、戸田建設から50MW・12基の陸上風車を受注。岩手のウインドファーム向け

風力発電の世界大手ベスタスは、SGET岩泉ウインドファーム向けに戸田建設から合計50MW・12基の陸上風力発電設備を受注した。2024年半ばの納入を予定している。加えて、20年間にわたる保守サービスも締結したという。

(アイキャッチ画像:ベスタスの風力発電機V117-3.0MW。出典:ベスタス グローバルサイト)

4.2MWの風車を山岳地に建設
20年間のO&Mサービスも受注

ベスタスは9月30日、戸田建設から合計50MWの風力発電設備を受注したと発表した。納入先はSGET岩泉ウインドファーム(岩手県)だ。ベスタス製の風力発電機(V117-4.2MW)を12基設置する。複雑な山岳地というウインドファームの地形に対応するため、全12基のうち9基は114メートルのタワーに、3基は84メートルのタワーに設置するという。

SGET岩泉ウインドファームはスパークス・グリーンエナジー&テクノロジーによるプロジェクトで、戸田建設が建設を担当する。ベスタスはタービンの供給と据付・監督を担う。タービンの納入は2024年の第2四半期、試運転は2025年の第3四半期を予定している。

また、ベスタスは同ウインドファーム向けにサービス契約「Active Output Management 5000(AOM 5000)」を締結した。これは同社が世界で展開する運用・保守サービスの1つで、予防保全や修繕を通じて発電量ベースの稼働率を保証し、ウインドファームのパフォーマンスと収益性の向上に貢献する。AOMは1000から5000までのラインナップがあるが、AOM 5000はフルスペックだ。今回、20年間のサービス契約を結んだという。

ベスタスはこれまで、世界87ヶ国で合計154GWにのぼる風力発電設備を納入し、国内では同社の合計640MW超の風力発電設備が稼働している。

350MW超える戸田建設の実績
着実に進む日本の風力発電事業

戸田建設が土木工事に携わった風力発電プロジェクトは2022年3月現在、合計351.6MWにのぼる。国内では2016年、長崎県五島市沖の浮体式洋上風力発電を実用化した。また、この10月には、五島フローティングウィンドファーム合同会社を通じて新たに浮体式洋上風力発電所の設置工事を開始している。

プロジェクトを率いるスパークス・グリーンエナジー&テクノロジーは、スパークス・グループの風力や太陽光、バイオマスなど再エネ発電設備の開発・管理・運営を行う。1989年に創業した独立系の投信投資顧問会社スパークス・グループが親会社だ。2022年10月現在、SGET新郷ウインドファーム18MW(青森県)を運用している。

DATA

ベスタス アジアパシフィック ニュースリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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