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シリーズ「再エネの未来」風車の定期点検ではどんな作業を行う? 【福島県の風力メンテナンス基礎講座・中編】

風車O&Mと聞くと、ブレードやタワーの外側で行う高所作業をイメージするかもしれないが、実際にはタワー内部で行う作業が多いという。福島県で2月に開催された「風力メンテナンス基礎講座」では、風車の定期点検ではどのような作業を行うのかについて、風車O&Mの人材育成事業を展開する風凛の吉田敏光氏が概説した。

(アイキャッチ画像:福島県にある風力発専門トレーニング施設FOMアカデミー。取材に訪れた日もトレーニングが行われていた。筆者撮影)

<風力メンテナンス基礎講座のレポート第1弾はこちら>

新規参入に適した風車の定期点検
作業内容は5種類に大別

福島県における再生可能エネルギー関連産業の育成・集積を目指す中核機関「エネルギー・エージェンシーふくしま」が、2月16日に開催した風力メンテナンス基礎講座を3回にわたってレポートする。第2回目の今回は、風車O&Mの人材育成事業を行う風凛の吉田敏光ゼネラルマネージャーの講演内容をお届けする。

同講座の第1弾では、風力発電のコンサルタントであるECOJの山本朋也代表取締役が、風車O&Mの中でも異業種からの新規参入に適しているのは定期点検だと述べた。続いて、吉田氏が風車の定期点検の具体的な内容について解説した。吉田氏は、風車O&Mにおける作業者の安全確保などに役立つトレーニングを風力発電専門トレーニング施設「FOMアカデミー」で提供している。

風車の定期点検にはメーカーが定めた点検と法令で定められた点検があり、1年間のうち3、4日間程度の定期点検を行うことが義務付けられている。定期点検の作業は、大きく次の5つに分けられるという。それぞれの作業の概要は次の通りだ。

(1)目視点検:
 設置した装置の状態を目視で正常かどうか確認する。
(2)機能検査:
 実際に風車を動かして、装置が正常に作動しているかどうかを検査する。
(3)潤滑作業:
 風車には数百のベアリング(軸受)があり、オイル、グリスなどの潤滑剤が使用されているため、これらの箇所を正しく潤滑する。
(4)トルク条件:
 風車タワーのボルトの締め付けトルクは、最近の大型風車では10,000Nmなどと規定されている。こうしたトルク設定を確認し、必要に応じて増し締めする。
(5)交換作業:
 フィルターやブレーキパッドなど消耗品や不具合品などの交換・補修を行う。‬

風車1機に何百ものボルトのトルク
及びテンショナーによる締め付け確認

風車の定期点検では、これらの5種類の作業をタワーやナセル、ブレードなどのパーツごとに行っていく。吉田氏はまず、タワーの定期点検について解説した。そもそも、風車のタワーはコンクリートの基礎にアンカーボルトで固定されており、タワー同士は内部でボルトによって連結されている。したがって、1機の風車には何百というボルトが使用されているという。


(FOMアカデミーにある実際の風車のタワー断面。フランジ部分に大きなボルトがずらりと並ぶ。筆者撮影)

タワー内部にはハシゴやエレベーターがあり、高さ20mなどの間隔でプラットフォームと呼ばれる休憩のための乗降台が設置されている。最近の風車にはエレベーターがついていることが多いが、以前の風車にはハシゴしかない場合もあるという。


(タワー内部を下から見上げた様子。FOMアカデミーにある実際の風車のタワーにて、筆者撮影)

タワーの定期点検においては、ボルトのナットなどが緩んでいないか確認するトルティング及びテンショニングの作業を行う。ボルト1本ごとの状態を確認し、必要に応じて油圧トルク、もしくはテンショナーという工具を使って規定のトルク設定で増し締めを行うという。「日本の定期点検では、1年間に10%以上のボルトについて締め付け確認を行うように定められています」と吉田氏は話す。


(テンショナーという工具。重量は10数キログラムにのぼるという。FOMアカデミーで筆者撮影)

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