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ベスタス、運転後26年まで稼働率保証を延長。ユーラス田代平ウインドファームで

ベスタスは、ユーラスエナジーの運転後20年超のウインドファームに対して、稼働率保証付き運転・保守サービス契約を延長したと発表した。長年にわたる同社の技術力や経験によって、風車の一般的な設計寿命である20年を超えた稼働率保証を提供する。

(アイキャッチ画像:ユーラス田代平ウインドファーム。提供:株式会社ユーラスエナジーホールディングス)

2028年までサービス契約を延長
20年経過後も稼働のニーズに対応

ベスタス・ジャパンは3月30日、ユーラスエナジーホールディングスとの間でユーラス田代平ウインドファーム(秋田県鹿角市)における運転・保守サービス契約を更新し、2028年まで延長したことを明らかにした。

同ウインドファームにはベスタス製の風車(V52-850kW)9基があり、設備容量は合計7,650kWだ。2002年11月から稼働している。ベスタスは2020年から、稼働率保証付き運転・保守サービス契約「AOM4000」を同ウインドファームへ提供してきた。

2022年に同ウインドファームが運転開始20年を迎えたため、ベスタスは風車の綿密な検査、効率的な稼働に必要な整備を行ったうえで、運転開始の26年後にあたる2028年まで「AOM4000」のサービス契約を延長したという。

風車の設計耐用年数は一般的に20年とされるが、風車の状態が良ければ20年を超えて引き続き稼働させたいというニーズもある。設計寿命を超えて風車を稼働させる際には、安全上の問題がないかどうかを確認し、入念に整備しなければならない。ベスタスは、世界中の5万5,000基・144GWの風車へサービスを提供してきた技術力、35年にわたって培ったデータや経験などから、こうした要望に応えるとしている。

風車メーカーによる稼働率保証
施主やファイナンスの面でも利点


(ユーラス田代平ウインドファーム。提供:株式会社ユーラスエナジーホールディングス)

ベスタスの「AOM(Active Output Management)サービス」とは、風車の稼働率を保証する運用・保守サービスだ。稼働率の保証とは、風況が良ければ風車が発電できる状態を約束するもので、風車のオーナーにとっては発電収益を得られる状態が維持されていることに等しく、ファイナンスの面でも有利になる。こうした利点から、現在は大手風車メーカーの多くが稼働率の保証を行っている。

ベスタスの同サービスは、保証の範囲や程度によって6種類ある。もっともシンプルな「AOM」は、修理や対処の内容に応じて支払うPay-as-You-Go方式だ。また、保証内容が充実した「AOM5000」は、発電量ベースで稼働率を保証するもので、想定発電量に対する実発電量の割合をもとに稼働率を計算するという。

今回、ユーラス田代平ウインドファームが契約を更新した「AOM4000」は、時間ベースで稼働率を97%まで保証するもので、定期点検などのメンテナンスの時間を除いて、風車を発電できる状態に保つとしている。

DATA

ベスタス プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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