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【動き出した第1ラウンド事業】千葉県銚子市 三菱商事と地域創生で連携協定

銚子市と三菱商事は6月13日、EX(エネルギー・トランスフォーメーション)やDXの一体推進による地域創生について、相互に連携を強化することについての連携協定を締結した。三菱商事は、総合商社としての強みを生かし、地域の課題解決に取り組む方針。

(アイキャッチ画像 地域創生に関する連携協定の締結式 出典:銚子市)

銚子市と三菱商事が
6項目で連携

銚子市と三菱商事が目指す地域創生のイメージ(出典 銚子市)

銚子市と三菱商事が目指す地域創生のイメージ(出典 銚子市)

銚子市役所では6月13日、締結式が行われ、越川信一市長と三菱商事の平栗拓也執行役員が協定書に署名した。三菱商事を中心とする企業連合は、銚子市沖で洋上風力発電事業を進めている。三菱商事は洋上風力事業の立ち上げに端を発し、昨年11月に銚子市内に支店を開設し、地域振興や地域共生を図るため、三菱商事洋上風力とともに地元関係者と意見交換を重ねて課題を探ってきた。

協定書によると、銚子市と三菱商事は、①デジタル技術の活用による地域の活性化及び安全・安心なまちづくりに関すること、②エネルギー、モビリティ、インフラ等へのデジタル技術等の活用による市民サービスの向上に関すること、③市民サービスの向上に向けたデータ連携基盤の構築に関すること、④再生可能エネルギーの活用によるゼロカーボンシティの推進に関すること、⑤デジタル技術等の活用を含む教育・文化の振興に関すること、⑥観光その他地域産業の活性化に関することの6項目で連携する。

具体的には、①地域ポータルや観光パスポートなどデジタルツールを活用した銚子市からの情報伝達サービス、②三菱商事のグループ企業であるホームサーブ株式会社が運営するサブスク型住宅設備修繕サービス、③ゼロカーボンシティの実現に向けた電力事業関連サービス、④EV化やオンデマンド化を見据えたモビリティサービス、⑤観光都市推進に向けたエリアビジョンの策定、観光関連サービス、⑥地域産品の販売、6次産業化につながるサービス、⑦ふるさと納税寄附額の増加につながる取り組み、⑧三菱商事のグループ企業である株式会社ローソンおよびローソングループ企業が展開する小売関連サービス、⑨三菱商事銚子支店が保有するEV車両等による災害時の電源融通に関する体制づくり、⑩三菱商事銚子支店が推進する「地域の皆様との交流・創業の場」設置に関する物件情報提供やイベント告知の支援等に連携して取り組むことを申し合わせた。

手始めとして、今年8月に開催される銚子みなと祭り(花火大会)を契機に、三菱商事が実装するLINEを活用した観光アプリの導入から開始し、その後、グループ会社のローソンが銚子市内で冷凍食品などを中心にそろえた省無人型コンビニエンスストアの開業などを順次展開できるように検討を進める。締結式で銚子市の越川市長は、「洋上風力をきっかけに、観光振興や地域振興などでさまざまな波及効果が生まれるように連携を進めたい」と話した。三菱商事の平栗執行役員は「市のビジョンや計画も踏まえて、地域の課題解決に資するビジネスをしっかりつくっていきたい」と決意を述べた。

自治体と連携して
課題解決に貢献

自治体との連携を進める三菱商事(筆者撮影)

自治体との連携を進める三菱商事(筆者撮影)

三菱商事は昨年5月に公表した中期経営戦略で、パートナーや自治体とともに社会・産業課題の解決に貢献することを重点的な取り組みのひとつに掲げている。三菱商事が自治体と地域創生に関連する協定を締結するのは、今回の銚子市で4件目。熊本県八代市では、ホームサーブ株式会社による住宅設備修繕サービス導入やデジタル技術を活用して地域創生に向けたさまざまな取り組みを2022年から推進している。

DATA

銚子市ホームページ

三菱商事ホームページ


取材・文/高橋健一

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