光ファイバで温度と振動を監視 海底送電線の維持コストを削減
2023/09/13
欧米の洋上風力発電所100件で採用!海底送電線に組み込まれた光ファイバによって温度や振動を計測する「センシング技術」。温度計やセンサーの設置が不要で、水中ドローンと比べて埋設状態の監視にかかるコストを大幅に削減できる注目の技術だ。
最大70km先まで温度を計測
センシングでOPEXを低減
最大70km先までの温度や最大100km先までの振動、数m間隔での細かなデータも計測できる。
海底送電線に埋め込まれた通信用光ファイバを使って温度や振動を計測する技術が「分布型温度センシング(DTS)」「分布型音響センシング(DAS)」だ。光の特性を利用して最大70km先までの温度、最大100km先までの振動を計測でき、かかる時間は最短5秒。温度計やセンサーの設置、通電は不要だ。ソフトウェアを使ってリアルタイムで送電線の温度を監視することもできる。欧米の洋上送電をはじめ洋上風力発電所約100件でも採用されている。国内ではベルトコンベアの火災検知などで使われているが、洋上風力発電設備への応用も期待される。
「DAS(分布型音響センシング)」では、投錨などさまざまな事象の振動を計測できる。
「DoBSという専用ソフトウェアを組み合わせると、海底送電線の埋設状態を温度変化によって監視できます。水中ドローンの監視と比べて洋上風力発電所の維持コストを大幅に抑えられます」と話すのは、エヌケーシステムの小川豊氏。センシング技術で世界トップ3に入る大手企業APセンシングの日本代理店だ。「海外のように、今後、日本でも海底送電線の埋設状態の定期的な調査の重要性が高まると予想されます。センシング技術で洋上風力発電事業のコスト削減に貢献したい」と小川氏は力強く語る。
PROFILE
エヌケーシステム株式会社
シニアエグゼクティブエキスパート
小川 豊氏
光ファイバ温度情報システムなどの開発、設計、販売、施工およびメンテナンスにわたる総合サービスを国内外で提供している。
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取材・文/山下幸恵(office SOTO)
WIND JOURNAL vol.05(2023年夏号)より転載
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