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石川県輪島市検討協議会「漁業関係者全員の同意が条件」

石川県輪島市の沖合に洋上風力発電の誘致を検討する協議会が9月2日に設立された。誘致の可否については、協議会の漁業関係者全員が一致しなければ否決すると規約に定めた。

洋上風力の導入には
合意形成が重要

輪島市沖

能登半島北部にある石川県輪島市

輪島市は、石川県の能登半島北部にある。同市の沖合では、10年程前に複数の事業者が洋上風力発電事業を計画したが、漁業関係者の反対で中止になった経緯がある。9月2日に設立されたのは「輪島市洋上風力発電事業誘致検討協議会協議会」。輪島市の坂口茂市長を会長に、市内の商工団体や漁業関係者、有識者、市議会議長、県議会議員、事務局の市職員など31人で構成されている。洋上風力発電事業が市に及ぼす影響や効果について情報収集し、誘致の可否を判断することを目的とする。

輪島市の坂口市長は「再生可能エネルギーの洋上風力発電は地球温暖化対策につながる一方、基幹産業である漁業に影響が及ばないか慎重に検討しなければならない。官民が一致した結論を求めたい」とあいさつした。設立総会では、洋上風力発電の導入を進めるには合意形成が重要だとして、誘致の可否については、協議会の漁業関係者全員が一致しなければ否決すると規約に定めた。

誘致の可否を
慎重に検討

副会長に選任された石川県漁協輪島支所の笹原丈光運営委員長は「漁業組合員800人の皆さんに意見を聞いて話を進めたい」と述べた。福島大の佐藤義久客員教授が基調講演し、国が洋上風力発電を推進している状況を説明したうえで、「何よりも漁業との共存共栄が重要」と強調した。今後は先行地域の視察などを行い、誘致の可否について慎重に検討することを申し合わせた。

輪島市経済団体協議会の次世代につなぐ「輪島のまちづくりビジョン」策定委員会は2021年2月、輪島市沖を洋上⾵⼒発電の開発地域に位置づけ、基地港湾へ指定を⽬指すとともに、市の第2マリンタウンに洋上⾵⼒発電の組⽴⼯場の⽴地を促進することを盛り込んだ、次世代につなぐ「輪島のまちづくりビジョン」を策定している。


取材・文/高橋健一

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